「註文」と「注文」の違いとは?分かりやすく解釈

「註文」と「注文」の違い違い

この記事では、「註文」「注文」の違いを分かりやすく説明していきます。

「註文」とは?

「註文」とは、種類や数や大きさといった事項を指定して、品物を発注すること・依頼することです。


「註文」の使い方

「註文」は、書類・メール・電話などで業者に対して品物を発注するときに用います。

「註文」「注文」の旧字体です。

古くからの書式を使用している会社などでは書類の題を「註文書」としているところもあります。

格式が欲しい際などに用いられています。


「注文」とは?

「注文」とは、種類や数量やサイズを指定して、物品を発注すること・依頼することです。

「注文」の使い方

「注文」の使い方は、その意味の通り、書類やメールや電話などで、業者に対して品物を依頼する場合に用います。

用法は「註文」と同一ですが、「注文」のほうが巷では頻出する書き方なので、よく使用されている傾向にあります。

また、物品に限らず、他者の進め方・やり方に対して意見を言う場合に「注文をつける」といった言い回しを用います。

「註文」と「注文」の違い

「註文」「注文」に、意味上の違いはありません。

その差異は字面上のものです。

「注」という文字の意味は、もともと、「そそぐ」「一点に向けて集める」というものでした。

そのご、「注釈」「校注」などの言葉に見られる「分かりにくい箇所に詳しく説明をつける」「書き記す」という意味が付け加えられました。

「注文」における「注」は、「書き記す」の意味です。

このように同じ漢字に意味が何重にも存在することが煩雑なことから、ごんべんの「註」が作られました。

後から出来た二つの意味が、いずれも言葉に関係するものだったことから、「ごんべん」「註」になったと言われています。

こうした経緯から、古い時代には、「そそぐ」場合は「注」を(注意・注進・注射・注入)、「かきしるす」場合は「註」を(註文・註釈)用いるといったように、使い分けが行われてきました。

しかし、昭和28年に制定された「当用漢字表」で、似たような音と意味の漢字の統合が行われました。

そこで審議され、「書くこと」のみに当てはめられる「註」よりも、色々な言葉に用いることのできる「注」を常用することが決まりました。

そのため現在では「註文」よりも「注文」を目にする機会のほうが増えています。

しかし、「註文」も間違いではありません。

「注文」の例文

・『あの人は私のやりかたに注文をつけてくる』

・『注文するとすれば、連絡方法が悪い』

・『あの会社に注文すると品物が届かない』

「註文」の例文

・『註文書に個数と金額を明記してください』

・『ご註文のメールを承りました』

・『FAXで備品の註文書を送付した』

まとめ

「註文」「注文」は、どちらも、個数や大きさなどを指定して品物を発注・依頼するという意味の言葉でした。

二つの言葉に意味上の違いはありません。

漢字が異なるのは、当用漢字表の適用によって用法が統一される以前に、「書くこと」には「註」を、「そそぐこと・集中すること」には「注」を、といった使い分けがされていたことが原因でした。

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