この記事では、「調査」と「分析」の違いを分かりやすく説明していきます。
「調査」とは?
物事の実際のところや、これからどうなるのかなどを明確にするために調べることです。
「高校生が将来なりたい職業」などを企業が調べることがあります。
高校生がなりたい職業は何なのかは、高校生本人にしかわからないことで、大人はわかりません。
これは不明である事柄です。
この不明な事柄を明らかにするために、さまざまな事柄にあたることを「調査」といいます。
なりたい職業を「調査」する場合だと、大勢の高校生にアンケート用紙を配ってそれに解答してもらう、直接声を聞くなどし、それを集計して明らかにしていきます。
「調査」という言葉は、規模が大きな事柄に使用されることが多いです。
なりたい職業を明らかにする場合だと、アンケートをとる高校生の人数が10人や20人といった小規模なものではなく、数百人、数千人といった規模になります。
「調査」の使い方
不明な点を明らかにするために調べることを指して使用する言葉です。
物事の実態や動向などを調べることについて使うことが多くあります。
また、調べるものの規模が大きい場合に使うことが多いです。
「分析」とは?
「分析」には3つの意味があります。
1つめは、複雑な物事をひとつひとつの要素に分け、その構成や性質などを明確にすることです。
試合で負け続けているサッカーチームがあったとします。
このチームが、あるときなぜだか勝利をしました。
いつも負けてばかりなのに、このときに勝った理由にはいくつもの原因が考えられます。
たとえば、選手全員の体調がよかった、相手チームの体調が悪かった、運がよかった、相手が手加減していたなどです。
そういったいくつもの複雑な事柄を、ひとつひとつに分けて、その構成などを明らかにすることをいいます。
この場合は「勝利した原因を分析する」ということができます。
2つめの意味は、哲学で複雑な現象などをそれを構成する要素などに分けることです。
3つめは、物質を構成する成分の種類や割合を明らかにするです。
ワインを「分析」することで考えてみます。
ワインはいくつもの物質で構成されています。
見ただけではわかりませんが、機械を使用するとそれがわかります。
調べてみると水、エタノール、糖、アミノ酸、タンニンクエン酸、リンゴ酸などが液体の中に入っていることがわかりました。
ひとつひとつの成分を明らかにしています。
水が何パーセント、エタノールが何パーセントということもはっきりさせることができます。
「分析」の使い方
ひとつひとつの構成を明らかにするという意味で使用をします。
物事や物質について使う言葉です。
「調査」と「分析」の違い
明らかにするという意味が似ていますが、同じことではありません。
前者は、不明な点を明らかにするために調べることです。
細かく分けることではありません。
後者は、複雑な物事をひとつひとつに分けて、構成などを明らかにすることです。
まとめ
どちらの言葉にも明らかにするという意味が含まれていますが、何を明らかにするのかという点に違いがあります。