報道ニュースを読んでいると、すぐに内容をつかめない言葉に出会うこともあります。
この記事では、「論功行賞」の意味を分かりやすく説明していきます。
知っている語句を増やして、政治の世界に詳しくなっていきましょう。
「論功行賞」とは?意味
論功行賞(ろんこうこうしょう)とは、その人の業績をくわしく調べて、それに見合ったボーナスや手柄を与えること。
がんばった人に、ご褒美をあげることです。
「論功行賞」はぱっと見は、いいことのように思えます。
けれども一概に、そうとは言い切れないこともあります。
例えば「論功行賞人事」という言葉があります。
これは政治の世界で用いられる用語で、どのくらい「党に貢献しているのか」その貢献の度合いによって、人事を決めていくというものです。
こうした物差しでポストを決めていくと「本当に優秀な人が重要なポストにつけない」という残念な結果を招いてしまいます。
能力ある人が正しく評価されないこと、会社や幹部の一方的な都合によって人事が決まることが「論功行賞」です。
「論功行賞」の概要
「論功行賞」は三国志から生まれた言葉です。
『明帝紀』という回に出てくるキーワードで、乱をおさめた武将に皇帝が褒美をあげたことから、名付けられた言葉です。
日本の武士の世界でも「ご恩と奉公」という制度があって、大きな手柄をとった武士には、それに見合う土地が与えられていました。
時代が大きく変わった今でも「論功行賞」のなごりは残っています。
例えば2021年の10月に発足した岸田内閣の人事は「論功行賞ではないか」と批判されています。
それほど実績がないにも関わらず、党の貢献度によって人事が決められたからです。
行き過ぎた「論功行賞」は質の悪い政治を招いてしまうリスクも含んでいます。
「論功行賞」の言葉の使い方や使われ方
「論功行賞」の使い方をチェックしていきましょう。
・「あの局長が栄転?論功行賞かもしれないな」 ・キングダムのお気に入りは、論功行賞のシーンだ。
・論功行賞の人事が裏目に出て、有権者の心は離れてしまった。
「論功行賞」は功績に応じて、手柄を与えること。
日本の政治の世界では、悪い意味として用いられることが多いです。
見えない糸に操られて、不当な人事がおこなわれているとき「論功行賞」といいます。
そのため使い方には注意が必要です。
「論功行賞」の類語や言いかえ
「論功行賞」と同じような言葉として、次の用語があります。
・年功序列
・自民党役員人事
・論功行賞人事
「年功序列」は勤続年数に応じて、役職を決めていく人事方式です。
欧米型の「成果主義」に反するものだとして、批判の対象になっています。
まとめ
「論功行賞」の意味や使い方を学んできました。
「論功行賞」とは、これまでの貢献に対して、手柄を与えること。
漫画『キングダム』にも登場する名シーンです。
政治の世界では「党にとって都合よく動いた人に、ご褒美を与える」不公平な人事として、注目されています。
色々な言葉を知っておくと、ニュースを読むことが楽しくなります。