この記事では、「起用」と「採用」の違いを分かりやすく説明していきます。
とても似ている2つの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか。
「起用」とは?
「起用」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「起用」は「きよう」と読みます。
「起用」には、「今まで用いられなかった人を、取り立てて用いること」という意味があります。
つまり、今まで活躍していた人を用いる場合は、「起用」とは呼ばないことが分かります。
例えば、プロ野球の試合で「打率首位の○○を、スタメンに起用する」というのは、おかしな文章となります。
「怪我をして試合から遠ざかっていた○○を、スタメンに起用する」は、正しい文章と言えるでしょう。
他にも、映画の配役で、「オーディションで選ばれた新人を、主役に起用する」という「起用」を使った文章を作ることができます。
また「昨日まで主婦だった人が、企業の取締役に起用される」などという文章を作ることも可能です。
「採用」とは?
「採用」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「採用」は「さいよう」と読みます。
「採用」は、「適当であると思われる人物、意見、方法などを、取り上げて用いること」という意味があります。
この場合の「適当(てきとう)」には、「ある条件、目的、要求などにうまく当てはまること」という意味があり、「やり方がいい加減であること」という意味ではありません。
例えば、「バイトを採用する」という場合は、バイト先の仕事を任せるのに適当だと思える人物を用いることになります。
また、「人物」だけでなく「意見」「方法」にも「採用」という言葉を使うことができます。
例えば会議中に適当だと思える意見が出たとき、「○○の発言を採用することにした」、実験中に「マウスを使った実験を採用した」などと、「採用」を使った文章を作ることができます。
「起用」と「採用」の違い
「起用」と「採用」の違いを、分かりやすく解説します。
「起用」には、「今まで用いられなかった人を、取り立てて用いること」という意味があります。
「採用」には、「適当であると思われる人物、意見、方法などを、取り上げて用いること」という意味があります。
「起用」は「人」に対して使う言葉で、「採用」は「人」だけでなく「意見」「方法」にも使うという違いがあります。
また「今まで用いられなかった人」を使うのが「起用」で、「適当だと思われる人」を用いるのが、「採用」となります。
「起用」と「採用」には、このような大きな違いがあり、これまで地下に隠れていたような人や、認められることが少なかったような不遇の人を用いるときは、「採用」ではなく、「起用」という言葉を使います。
まとめ
「起用」と「採用」の違いについて見てきました。
「起用」と「採用」には、明確な違いがあることがわかります。
二つの言葉の意味を知ることで、正確に使い分けることができるのではないでしょうか。