この記事では、「足りない」と「足らない」の違いを分かりやすく説明していきます。
「足りない」とは?
「足りない」とは、「物・人・お金などの数量が不足していること」や「需要(必要)に対して十分な数量・金額ではないこと」を意味しています。
「足りない」というのは、「必要な数量(金額)に対して、お金・人・物などの実際の数量が不足しているさま」を示している表現なのです。
また「足りない」は、「実力・成績などが一定の基準ラインに達していない」といった意味も持っています。
「足りない」の言葉は、現代語の上一段活用動詞「足りる」の否定形であり、「足りる」は江戸時代後期以降に使われ始めたとされています。
そのため、「足りない」は現代において使用頻度が高い表現になっています。
「足りない」の使い方
「足りない」の使い方は、「必要な数量(分量)・金額に対して、実際の物・人・お金などの数量が十分ではない場合」に使うというものになります。
例えば、「スマホを買いたいけれどお金が足りない」や「このミッションを達成するためには、必要なプロの人員が足りない」といった文章で使用することが可能です。
また「合格には国語の点数が足りない」のように、「ある物事が一定の基準値に及ばない」といった意味でも使えます。
「足らない」とは?
「足らない」とは、「需要に対して、物・お金・人員などの数量および人数が十分ではないこと」や「一定の水準に及ばないさま」を意味しています。
「足らない」の表現には、「必要な数量・金額に対して、実際のモノ・お金・人員が量的(数字的)に不足している」といった意味のニュアンスがあります。
「足らない」は古語の五段活用動詞「足る」の否定形であり、「足る」は江戸時代以前から使われている歴史の古い動詞です。
そのため、「足らない」は現代では使用頻度が落ちてきた表現になっています。
「足らない」の使い方
「足らない」の言葉は、「需要の数量に対して、実際のモノ・人・お金などが不足している時」に使う使い方になります。
例えば、「この公共事業を完成させるには予算が足らない」や「建築材料が足らないので、ログハウスの建設を中止しました」などの例文で使用することができるのです。
また「足らない」は、「技術力が足らないのでその仕事は断りました」のように、「その人の実力・技術・成績などが一定の水準に及ばない」の意味でも使えます。
「足りない」と「足らない」の違い
「足りない」と「足らない」のシンプルな違いは、現代では「足らない」はあまり使われず、「足りない」が主に使われているという違いです。
「足りない」も「足らない」も「(必要な数量に対して)物・人などの数や量が不足している」という同じ意味を持っています。
しかし、二つの言葉が誕生した時代の違いから、「足りない」のほうが、古語「足る」を元にする「足らない」よりも「現代風(今風)の言い方で使用頻度が高い」という違いを指摘できるのです。
まとめ
この記事では、「足りない」と「足らない」の違いを詳しく解説しましたがどうでしたか?
「足りない」は「足りるの否定形で現代語の語感がある表現」であり、「足らない」は「足るの否定形で古語の語感がある表現」であるという違いを挙げられます。
「足りない」と「足らない」の意味・使い方の違いを知りたい人は、この記事を読んでみてください。