「跡形もない」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「跡形もない」とは?

跡形もないは、日常生活の中でもよく聞く言葉です。

そのようなことがあれは、いつでも普通に使える言葉で、どのような年代の人が使っても何の違和感もありません。

「あとかたもない」と読み、いい意味、悪い意味の両方で使えます。

そのどちらの意味で使っているのかは、前後の文脈から判断できます。

「跡形もない」の意味を詳しく解説

跡形もないとは、「その痕跡さえ無くなっている」様子を表す言葉です。

以前は確かに存在した何かが、「それがあったことさえ分からなく消え失せてしまった」ということを表現する時に使います。

しかし、実際にはそれほど完全に消え失せることも(特に建築物では)まずないと言えるので、多少は痕跡が残っていても、この言葉が使われることも多いです。

よって、それほど厳密に意味を考えて使う必要はなく、ほどんど痕跡が分からない状態であれば、この言葉を使って構いません。

「跡形もない」は英語では?使い方も同じ?

跡形もないは、英語では“nothing remainp”と表記します。

「何も残っていない」という意味で使う英熟語で、「跡形もない」とほぼ同じ意味で使えます。

建築物を始めとした物理的な存在から、データなどのソフトウェアの分野にまで使える言葉で、これは日本語の「跡形もない」でも同様です。

例として、「データが跡形もなく消えてしまった」などと使っても構いません。

「跡形もない」の類義語

「跡形もない」と類義語として、「影も形もない」が挙げられます。

見た目のイメージからも、似ている言葉だということが分かりますが、実際にも「跡形もない」に近い意味をもっています。

ただし、こちらの場合は比較的短時間で消え去ったというニュアンスが込められており、長年存在していたビルがその存在があったことさえ分からないほど綺麗に無くなったという場合には、「跡形もない」の方が合っています。

「影も形もない」は、数日だけ存在していた屋台などに使うと、ちょうど意味的にピッタリです。

「跡形もない」の言葉の使い方

跡形もないと使うには、それほど痕跡さえ残さすに消え去ったというシチュエーションでないといけません。

前述のように、ほんの多少であれば、それを気にせずに使うことはできますが、それでもほぼ完全な消え去り方でないと使うべきではありません。

「跡形もない」を使った例文と解釈

跡形もないという言葉を、いい意味、悪い意味の両方で使っている例文です。

どちらで使われることが多いかと言えば、多少悪い意味の方が多いという程度で、どちらの意味でも普通に使われている言葉です。

「跡形もない」の例文1

「オフィスの移転でフロア全体の現状回復工事を行ったところ、見事に跡形もなくなった」

オフィスビルから引き払う時には、この現状回復(借りる前の状態に戻すこと)を行わないといけません。

それによって、これまでその場所で働いていた形跡が見事に何も無くなったことを表しています。

この言葉は、こちらの使い方のように、「跡形もなく」「跡形も見られない」といったような変化をさせて使っても構いません。

「跡形もない」の例文2

「地震で自宅が崩壊し、その後に更地にした為、もう以前の家の跡形もない」

大変なことが起きてしまったという例文ですが、「跡形もない」の使い方としては一番メジャーな形だと言えるでしょう。

「跡形もない」の例文3

「まるで最初から誰も住んでいなかったと思うほど、見事に跡形もなく片付けたものだ」

「跡形もない」をいい意味で使っている例になります。

「そこまで綺麗に」という意味でも使えるのがこの言葉です。

逆に、「跡形もなく逃げ去った」などと、痕跡を残さずに逃げてしまったような場合にも使うことができるので、なかなか使い勝手のいい言葉だと言えるでしょう。

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