この記事では、「身に余る」と「手に余る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「身に余る」とは?
「身に余る」とは、「みにあまる」と読み、喜びより恐れ多いという気持ちが大きい時や、与えられた仕事が自分の能力に比べ重すぎるという意味になります。
「身に余る」の「身」は、「身体」や「人が社会生活に占める位置」などの意味があり、この場合の「身」は地位や立場を示しています。
続いて「余る」は、普通の意味としては「使いきれず残っている」という意味ですが、「身に余る」では「自分の限界を超えている」という意味になります。
両方の単語を合わせると、「身に余る」の意味は自分の立場の限界を超えているという意味となるのです。
これは人柄や能力を悪く言う意味ではなく、目上の人に対して謙遜し、自分の立場を低める意味で使われる言葉です。
また大きな責任を背負うような仕事などを任された場合に、「身に余る」を使用することもあります。
これは自分の実力をわざと下げる事で、謙遜を表しているのです。
そして「身に余る」は、目上の人への申し出を断る際にも使用され、「できません」というと角が立ってしまうので「身に余る」を挟むことにより、断る際に柔らかい意味合いが加わります。
「手に余る」とは?
「手に余る」とは、「てにあまる」と読み、量が多すぎて手で持ちきれないという意味が転じて、自分の能力を超えておりどうしてよいか分からない状態を表す言葉です。
自分の抱えている仕事などの事柄が、自分だけの力では解決できそうもない場合に「手に余る」という言葉を使います。
他人に仕事を助けて欲しいという意味でも使われたり、物事を断ったり辞退するような時に使われ、単純に解決自体が難しいという意味でも使われます。
また、どうしたら良いかわからないという混乱しているような状況でも使われます。
これは自分の能力を超えているために、解決できなくなっていてどうしてよいか分からないと言う状況になってしまっているという事になります。
以上のことから、「手に余る」は、自分の能力を超えていて解決できない状態という意味になります。
「身に余る」と「手に余る」の違い
「身に余る」と「手に余る」の違いは、「手に余る」は自分の能力が足らずに解決が出来ないときに使います。
「身に余る」は、自分の評価を謙遜する際にも使われますが、「手に余る」にはそのような意味はありません。
「手に余る」はどちらかと言うと、どう処理していいのかわからず混乱しているという意味になりますので、自分の立場を分かった上で使われる「身に余る」とは違います。
まとめ
「身に余る」は、自分の立場の限界を超えている場合に使用される言葉で、謙遜の意味が込められています。
一方「手に余る」、自分の能力が足らずに解決できない場合に使われる事ですので謙遜するという意味合いは含まれていないという事になります。