「軒輊」
「軒輊」の読み方は、「けんち」と言います。
「軒輊」の言葉遣いをきちんと理解しておくことで、語彙力がかなりアップしますし、文章を記載する上でもスムーズに表現することができるので、ここで意味や使い方・例文などご紹介するので理解しておきましょう。
「軒輊」の意味
「軒輊」の意味は、高低・優劣など上がることと下がることを表現しています。
「軒輊」という字に表現されているように、「軒」は車の前が高いを表し、「輊」は車の前が低いという意味が込められているので、各々上がることと下がることを表しているのがわかるでしょう。
「軒輊」をあまり使ったことがない方には、意味をきちんと理解した上で文中に表現してみると、かなり知的な印象になりますし、普段の文章作成する上でも役立つことが多々あります。
「軒輊」の言葉の使い方
「軒輊」の言葉の意味をきちんと理解した上で使い方を把握してみましょう。
「軒輊」を使った例文・短文(解釈)
「軒輊」を使った例文と解釈を紹介します。
「軒輊」の例文1
「他の親族の人々と我との間に何の軒輊するところもなき」
「即興詩人 鷗外」 の一節の中にあります。
他の親族の人々と自分自身との間に、何の優劣・高低など比較するとこはないといった意味が込められています。
「軒輊」を用いることで自分を他の親族より劣っているか、それとも優れているか比較する意味もないし、必要性もないと表現していることが読み取れます。
「軒輊」の例文2
「それだけ読めれば、君と僕との間に、何の軒輊すべき所も無いね」
「二人の友 森鴎外」 の一節の中にあります。
二人の間において、何か本を読んでおり、それだけ読めたら相手と自分との間に何の優劣・高低など比較するところは無いと話している様子が伝わります。
お互いの読解力や文章の理解力などが似ていることが伝わってくるはずです。
お互い認め合っていることがわかりますし、とても良い関係が続いていることが見える文章だと言えます。
「軒輊」の例文3
「己と四郎左衛門との間には軒輊けんちする所は無い筈だと云つた」
「津下四郎左衛門 森鴎外」 の一節の中にあります。
自分と四郎左衛門との間には、優劣・高低など比較するところは無いはずだと伝えている様子が分かります。
なので、四郎左衛門との間にはと主人公は、お互いにとって比較する関係でもなく、よく仲間でもあることがわかるはずです。
友人同士で仲良い様子も伝わってきます。
「軒輊」の例文4
「芸術的価値を軒輊する」
「復活 魯庵」 の文章の一節です。
芸術的価値の高低・優劣する様子が分かります。
芸術的に価値があるかどうか、目の前に美術品があってそれをじっくりと「軒輊」することで、美術的に価値があるのかどうかなど、判断することができる様子が見えてくるはずですし、じっくりと検討しているのがイメージできます。