人事異動にまつわる表現は、細かく区分けされています。
この記事では、「辞令」と「内示」の違いを分かりやすく説明していきます。
わからない言葉を、今すぐ学んでいきましょう。
「辞令」とは?
辞令とは人事異動にまつわる書類のこと。
代表取締役の名前で出される、従業員への告知書です。
部長に昇進するとき、海外支店に転勤するとき、アルバイトから正社員に昇格するときなどに用います。
簡単に言い換えるのなら「会社としてこのように決まったので、従ってくださいね」という確認書のこと。
上司から部下に口頭で伝えるだけでは心もとないので、決まったことを書面に落としたものが「辞令」になります。
昇格や昇進、転勤や異動にまつわる「会社が発行する命令書」です。
辞令を発行するタイミングは、昇格や転勤がおこなわれる、およそ1か月前です。
辞令には企業名と取締役の名前、印鑑。
交付した日付や辞令がおこなわれる日付、辞令の具体的な内容、対象者の名前などが記されます。
辞令には法的な拘束力がないので、気に入らなければ拒否することもできます。
ただし会社の規定によって、受け入れないと懲戒免職の対象とされる場合があります。
万が一拒否するときは、そうした事情をくんでおくことも大切です。
「内示」とは?
内示とは、上司から部下に対して内々で伝えること。
人事異動などが出たときに、対象者にだけ極秘で伝える作業です。
内示はその名のごとく「内にしめす」と書きます。
「こんな話が上層部から、出ているのだけれど」と上司から部下にこっそり打ち明けるのが内示です。
内示は正式な通達を出す前の、ワンクッションとして用いられます。
内示を出すことによって、受ける側は心の準備ができ、余裕をもって引き継ぎを進められます。
内示を出すタイミングはその内容によるものの、転勤や昇進のおよそ半年から3か月前となっています。
「内示書」という文書を出す企業もありますが、本人の意思を確認するために、応接室に呼び出して個別に伝えるケースもみられます。
内示は「取引先や他の社員に伝えないこと」が原則となっているので、口外しないことも大切です。
「辞令」と「内示」の違い
どちらも人事異動や昇格にまつわる用語です。
「辞令」と「内示」の違いを、分かりやすく解説します。
・内示が出てから、辞令が出る 辞令と内示の大きな違いは「いつ出すか」です。
辞令は正式な通達書。
内示は辞令を出す前の、非公式の通知書です。
そのため流れとしては「内示」が先、「辞令」が後になります。
およそ半年から3か月前に出されるのが内示。
1か月前に出されるのが辞令です。
内示は原則、対象者しか知らない情報。
辞令は社内に公開される情報です。
まとめ
「辞令」と「内示」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも人事異動や昇級にまつわる通知のこと。
内示は対象者にだけ伝える、事前の告知です。
辞令は社内に伝える、オープンな伝達になります。
どちらもオフィスで重要な意味をもつ言葉なので、誤りなく覚えておきましょう。