この記事では、「近く」と「そば」の違いを分かりやすく説明していきます。
「近く」とは?
「近く」は(ちかく)と読みます。
「学校の近くに本屋がある」など、距離的に近いのをあらわす言葉です。
また「近くなったら連絡します」の「近く」は、時間的な接近を意味します。
同じ意味の言葉には、「付近」「近所」「周囲」「あたり」「そば」などがあります。
対義語には、「遠く」「遠方」「離れて」があります。
「近く」英語で表記する場合には、“near”、“close”を使います。
「近く」の使い方
「近く」は、かなり曖昧な言葉です。
そのために、いろいろな場面で気楽に使えますう。
しかし詳しい距離や方向を情報として伝える言葉としては、適切とは言えません。
ビジネスなどでは、「学校から徒歩5分程度」「本屋から400メートル南方向」など、所要時間や距離を伝えるのが常識です。
「そば」とは?
「そば」は、漢字で表記すると【側】と【傍】の2つがあります。
【側】は訓読みでは、他に(かたわ(ら))(はた)と読みます。
意味は、空間的に近いことを表現します。
例えば「郵便受けのそばには何も落ちていなかった」では、「そば」は郵便受けがある付近、つまりごく近くを意味しています。
【傍】は訓読みで、やはり(かたわ(ら))(はた)と読みますが、他にも(わき)(そ(う))とも読めます。
意味は、誰かのすぐ近くにいて寄り添うことです。
つまり「いつも君のそばにいるよ」は、漢字表記では【傍】になりなす。
空間的よりも、精神的に近くにいるというニュアンスが強くなります。
また「君はいつも言ったそばから忘れる」の「そば」も【傍】の漢字です。
ちなみにこの場合「すぐ後に」の意味になります。
このように「そば」には、【側】の空間が近いこと、【傍】の誰に寄り添うことと、また「?の後に」の意味があります。
さて、同じ意味の言葉には、「間近」「横」「付近」などがあり、反対の意味を持つ言葉には、「離れて」「遠く」などがあります。
「そば」を英語で表記すると、【側】を意味するなら「side」“vicinity”。
【傍】を意味するなら“by”、“right after”(?の後からの意味) になります。
「そば」の使い方
「そば」は、位置をあらわす時に使うことが多い言葉です。
ある対象物のごく近くにあるけれど、接してはいないときには、「そば」を使います。
他にも誰かを支える、精神的に近くにいるとの意味で「そば」を使います。
「君の力になるよ」というよりも、「君のそばにいるよ」の方が情の深さを感じられます。
「近く」と「そば」の違い
「近く」と「そば」は、非常に似通った言葉です。
しかし「薬屋は家の近くにある」と「薬屋は家のそばある」では、ニュアンスの違いがあります。
「そば」の方が「近く」よりも、より接近していると理解できます。
その他にも「そば」は、人に寄り添うという意味もあり、物質的だけではなく精神的な近さも表します。
病気の人に「そばにいてあげる」では、心配して寄り添ってあげるというニュアンスが感じられます。
しかしと「近くにいてあげる」では、必要なことがあれば手伝うとのニュアンスになります。
「近く」の例文
・『会社の近くにコンビニが数件ある』
・『発表会が近くなったら、また連絡します』
・『子供のころは、毎年近くの海で泳いだ』
・『近くの営業所までご連絡ください』
「そば」の例文
・『コーヒーカップのそばにあるそのお皿が欲しいです』
・『ちょっとそばまで来たので、寄ってみました』
・『どんな時にでも、あなたのそばを離れません』
・『こんな時こそ、そばにいてあげた方が良いと思います』
まとめ
「近く」と「そば」は、あまり深く考えることなく、日常的に使っている言葉です。
しかし、「そば」の方は、精神的な接近、つまり寄り添うという意味があります。