世界史や日本史の中で、「近代」や「近世」という区分があります。
どちらも「近い」と言う文字が入っているので、「現代」に近いイメージがあります。
そこで、今回は「近代」と「近世」の違いについて見てみることにしましょう。
この記事では、「近代」と「近世」の違いを分かりやすく説明していきます。
「近代」とは?
「近代」とは、「現代」に一番近い、過去の時代のことを指します。
または、封建的社会が終わり、合理化された資本主義社会、または民主主義社会の時代を「近代」と言います。
日本史では明治以降のことを言うのが一般的です。
ヨーロッパ史では19世紀前半あたりから「近代」が始まっていると考えられています。
どちらも封建主義時代が終わり、資本主義時代に変わった頃から「近代」と呼んでいるようです。
「近世」とは?
「近世」とは、歴史上で「中世」と「近代」の間の時代を指しています。
日本史では、室町時代末期(安土桃山時代・戦国時代)から江戸時代にあたります。
他にも、江戸時代のみを「近世」と呼ぶという考え方もあるようです。
一方、ヨーロッパ史では、15世紀から19世紀初め頃までを「近世」と呼んでいるようです。
各国によって、多少、時代の違いはあり、16世紀から「近世」としている国もあります。
ルネサンスや宗教改革、または市民革命などが起こった頃を「近世」の始まりや終わりとしているようです。
他にも「近世」は、「近頃の世」や「現代に近い」と言う意味もあります。
「近代」と「近世」の違い
「近代」と「近世」の違いを、分かりやすく解説します。
歴史上では「中世」の後が、「近世」で、その後が「近代」になります。
そして、「近代」の後が「現代」です。
日本史では、「近世」が室町時代末期から江戸時代、「近代」が明治以降、第二次世界大戦前までとなっているようです。
ヨーロッパ史では、ルネサンスや宗教改革の頃から「近世」が始まり、産業革命や市民革命の頃に、「近世」から「近代」に変わっています。
日本もヨーロッパも、どちらも封建主義社会から資本主義社会、民主主義社会の時代へ変わった頃を「近代」の始まりと捉えているようです。
日本とヨーロッパで同じような時期に、時代が似たように大きく変わってきているのは、大変興味深いところです。
まとめ
「近代」や「近世」のような時代区分は、ルネサンス期に成立したようです。
初めは「古代」、「中世」、「近代」の三区分でした。
しかし、今では「原始」、「古代」、「中世」、「近代」、「現代」の五区分、または、「原始」、「古代」、「中世」、「近世」、「近代」、「現代」の六区分が一般的となってきているようです。
日本では第二次世界大戦後から「現代」が始まっているとされています。
「現代」は昭和20年から、平成、令和と時代が進んできています。
今後、「現代」の期間が長くなってくると、または歴史上で大きな変化があると、「現代」の時代区分も変わっていく可能性があるでしょう。
「近代」や「近世」だけではなく、その前の時代の「中世」や「古代」などの始まりや終わり、または変わったきっかけなども調べてみると、新たな発見や気付きが見えてくるかもしれません。