刑事事件にまつわる言葉には、聞きなれない用語もいくつかあります。
この記事では、「送致」と「勾留」の違いを分かりやすく説明していきます。
もしもの時に役立ててみてください。
「送致」とは?
送致(そうち)とは、警察から検察に事件にまつわるものが送られること。
事件にまつわるものとは、容疑者の身柄や書類です。
その事件によって、送られるものは変わってきます。
たとえば街の宝石店に、泥棒が入ったとき。
たまたま現場近くにいた警察官が、犯人をその場で逮捕したとします。
手錠をかけられた犯人は、パトカーに乗って警察署に連行されます。
警察署では事件についてくわしく、取り調べをおこないます。
このとき逮捕から48時間以内におこなわれるのが「送致」です。
送致とは警察署から、検察庁への事務的な手続きのこと。
犯人を逮捕してから48時間の間におこないます。
いわゆる検察庁のスタッフと、被疑者の顔合わせのような儀式です。
身柄付きの送致の場合は、数分の取り調べが検察庁でおこなわれたあと、被疑者の身柄はまた警察の留置場に戻されます。
「勾留」とは?
勾留(こうりゅう)とは、被疑者を刑事施設に留めておくこと。
逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断したときにおこないます。
勾留は被疑者が検察に送致されたあと、24時間以内に決まります。
警察から検察に送致がおこなわれたあと、検察は犯人についてくわしく調べます。
問題がないと思われれば、この時点で「釈放」されます。
リスクありと判断されると、検察から裁判所に「勾留を認めてください」とお願いが出されます。
裁判所が「勾留してもいい」と許可を出すと、被疑者はそのまま留置所で勾留されます。
裁判所が認めると最大で23日間、留置所に被疑者をとどめておけます。
勾留された被疑者は、証拠隠滅のリスクが無いと裁判所が認めれば、知人と面会をおこなうほか、日用品などの差し入れを受け取れます。
「送致」と「勾留」の違い
どちらも逮捕後の手続きですが、複雑でややこしいです。
「送致」と「勾留」の違いを、分かりやすく解説します。
・送致の後に、勾留が待っている
「送致」と「勾留」は逮捕後におこなわれる手続きです。
先におこなわれるのが送致。
その次が勾留にあたります。
送致は警察から検察に、一時的に身柄が移送されること。
逮捕から48時間以内におこなわれる、形式的なやり取りです。
送致が終わると、検察から上がった請求をもとに、裁判所が「勾留」を決めます。
勾留は逃亡のリスクがある被疑者を、留置所に留めておく手続きです。
勾留は送致から24時間以内に済ませることが、ルールで義務付けられています。
まとめ
「送致」と「勾留」の違いを分かりやすく、お伝えしました。
送致とは身柄や書類を、警察署から検察庁におくる手続きのこと。
勾留は被疑者を、留置所に拘束するための処分です。
どちらも刑事事件にまつわる用語ですが、正しく知っておくとまさかの時に身を助けてくれます。