この記事では、「連句」と「連歌」の違いを分かりやすく説明していきます。
「連句」とは?
「連句」とは、後述する「連歌」を簡略化したものを指します。
もともと、「俳諧の連歌」と呼ばれており、「俳諧」とは滑稽という意味で、貴族の遊びと言われていた「連歌」をより庶民が詠みやすくしたものです。
分かりやすく言うと、「連句」とは最初の句に対して、その情景などから次の句を出来るだけ素早く想像する文芸です。
前の句とは関連があるものの、全く異なった句を詠む必要があります。
これは2人以上の何人かで行い長句と短句を交互に繰り返します。
この「連句」は何年もの時間をかけていくつかの式目というルールができ、型式も30種類程あります。
「連句」の楽しみは、前の句かた全く異なった思いがけない別の句が詠まれる事で、関連はしているものの別世界が繰り広げられる事にあります。
具体的には5・7・5の発句、7・7の脇句、以下の長短句を連続して行います。
型式としては非常に長い百韻が主流でしたが、松尾芭蕉の蕉風以降は36句の歌仙が主流になりました。
「連歌」とは?
「連歌」とは、日本の古来から普及している、伝統的な詩形です。
5・7・5の発句、7・7の脇句、以降は長短句を2人以上の複数人で連ねて詠み、一つの詩にしていきます。
奈良時代に原型が出来たと言われ、平安時代半ばには長短の2句を唱和する短連歌が流行しました。
鎌倉時代に入ると、50、100,120句と重ねていき、100句を基本とする百韻が主流となります。
「連歌」は「連句」よりも非常に厳格なルールが基にされていて、和歌の強い影響を受けました。
これが基になり、前記の「連句」や「俳句」が派生していきました。
「連句」と「連歌」の違い
「連句」と「連歌」の違いはその厳格なルールです。
「連句」は「俳諧の連歌」とも呼ばれ、「俳諧」の「滑稽」という意味から分かるように、使用される言葉は庶民が詠みやすい漢語や俗語、西洋語など制限はありません。
新旧たくさんの形式で詠まれ、他の形式はあるものの基本百韻(100句)のみの「連歌」とは大きく違います。
また「連歌」は和歌から影響を受けている事から、貴族や位の高い人の優雅な遊びのひとつです。
使用できる言葉も和語のみとされ、刺激的な言葉ではなく風雅なものという事が非常に重要視されます。
そしてこの「連歌」から「連句」が生まれ、そして「連句」の意味に対して革新を唱えた松岡子規らによって現代に広く伝わる「俳句」が生まれました。
まとめ
「連歌」は日本古来から伝わる厳格なルールの元、複数人により交互で行われる文芸です。
一方、「連句」はルールこそは基本「連歌」にのっとっていますが、その形式や使用できる言葉はより庶民に親しみやすい方法を取ったため、爆発的に広まりました。
現代に広く伝わる「俳句」の元になった文芸でもあります。