「連帯債務」と「連帯保証」はどちらも民法上の契約形態の一つで、多人数が参加するのが特徴です。
特に成人してからは、どちらかの話を持ち掛けられることが増えてくるの注意が欠かせません。
この記事では、「連帯債務」と「連帯保証」の違いを分かりやすく説明していきます。
「連帯債務」とは?
一個の債権を複数人で支払うのが、「連帯債務」の特徴です。
例えば一軒の家を三人で買って、それぞれが支払い義務を負うようなケースが「連帯債務」となります。
この場合、三人ともが債務者となるのですが、「連帯債務」では債権者が、それぞれに全額の支払いを求めることが可能です。
三人のうち一人が全額払った場合、その者が払い過ぎた分は残りの二人に自分で請求します。
「連帯保証」とは?
こちらは保証契約の一形態です。
債権者が債務者に対してお金を払ってもらう時、債務者が破産する他、夜逃げすることもあります。
その場合、債務者に代わってお金を払うのが保証契約の特徴です。
「連帯保証」は中でも、保証人が債務者の立場に近く、両者が連帯して責任を負うことになります。
例えば、債権者は「連帯保証人」に対して、債務者が支払いを怠ったらすぐに清算を請求可能です。
通常の保証なら「先に債務者本人に請求して下さい」と言えるのですが、この権利がありません。
また「連帯保証人」が何人いても、それぞれが全ての保証責任を負います。
三人いるから、保証の責任も3分の1ずつではなく、それぞれが100%の責任を負うのです。
「連帯債務」と「連帯保証」の違い
「連帯債務」と「連帯保証」の違いを、分かりやすく解説します。
まず「連帯債務」は複数名の債務者が、それぞれ同じ立場の債務者として義務を負うのが特徴です。
他方の「連帯保証」の場合は、債務者を「連帯保証人」がバックアップする保証契約となります。
このことから、両者には制度上、大きな違いが生じるのです。
例えば、「連帯債務者」の一人が契約を解約しても、残りの者の契約には関係ありません。
家を買った三人のうち一人がいなくなっても、残りの二人と債権者との間で契約が続きます。
しかし「連帯保証」においては、債務者が契約を解約と、「連帯保証人」の保証義務も基本的には消えます。
なぜなら、「連帯保証」は債務者をバックアップするための制度です。
そのバックアップすべき義務が消えたのなら、「連帯保証人」が存在する意味はありません。
例えば、債務者が家を買った契約を解約したら、家は債権者が所有しているままです。
債務者の代わりに「連帯保証人」が買い取るわけではありません。
したがって、家の権利が動かないのでお金を払う必要も原則としてなく、「連帯保証」は意味をなさないのです。
ただし、取違約金や損害賠償が発生している時は、「連帯保証人」も責任を負う可能性があります。
まとめ
上記のように「連帯債務」と「連帯保証」は、安易に引き受けると大きな責任を負うことになります。
特にローンを組むような大きな買い物の時に、「連帯保証人」になってくれと請われる場合がありますが、債務者並の責任を負うので慎重に考えましょう。