「歪曲」と「婉曲」の違いとは?分かりやすく解釈

「歪曲」と「婉曲」の違い違い

この記事では、「歪曲」「婉曲」の違いを分かりやすく説明していきます。

「歪曲」とは?

「歪曲」には2つの意味があります。

一つは物をゆがめてまげる、ゆがんでまがるです。

列車が通るレールは、硬くてゆがみそうもないように見えますが、高温になるとゆがみ曲がってしまうことがあります。

ねじれたりしてまっすぐではなく、正しい状態ではなくなってしまうのです。

この曲がった正しくない状態が「歪曲」が意味するものになります。

もう一つの意味は、事実をわざと正しくない事柄にして伝えるです。

ある人が、つき合っていると報道されたとします。

この人はただ一緒に食事をしただけなのですが、食事をしているところを見られただけで付き合っているとされてしまったのです。

実際には付き合っていません。

付き合っていないことは、報道したものは知っていたのですが、事実とは違えて伝えました。

本当は付き合っていない、それなのに事実を曲げて伝えた、これは「歪曲した報道」ということができます。


「歪曲」の使い方

ゆがみまげる、ゆがみまがるという意味で使用をします。

正しくない形にまがる、正しくない形で伝えるといったことを指しています。


「婉曲」とは?

言い表し方が穏やかであるさまです。

露骨ではないという意味合いです。

たとえば、食べた料理がおいしくなかったとします。

「まずい」というと一緒に食べている人を不快にさせるし、作ってくれた人を傷つけることになります。

直接的に「まずい」というのは、穏やかないい方とは言えません。

別のいい方をすることはできます。

たとえば、「個性的な味だね」といったものです。

露骨に伝えておらず、先ほどのいい方よりも穏やかになります。

うそは事実とは違うことを言うことです。

「婉曲」は事実と異なるという意味ではなく、穏やかな表現方法を意味しています。

「婉曲」の使い方

言い表し方について使用をします。

言い表し方が穏やかな場合をいいます。

「歪曲」と「婉曲」の違い

どちらの言葉にも、まがる、まげる、正しくないという意味を持つ漢字である「曲」が使用されていますが、2つの言葉の意味は異なります。

前者は物がまがること、事実をまげて伝えることを意味しています。

後者は物質についてを指しているのではなく、言い表し方を指しています。

角の立たない言い方のことです。

「歪曲」の例文

・『歴史が歪曲されていた』
・『事実を歪曲する』
・『この報告は歪曲されている』
・『歪曲することなく伝える』

「婉曲」の例文

・『婉曲に伝える』
・『もう少し婉曲に言えないかな?』
・『婉曲な表現方法が思いつかなかった』
・『婉曲的な表現を避ける』

まとめ

2つの言葉は、まがる、正しくないという意味を持つ漢字の「曲」を使用している点が共通しています。

しかし意味は異なり、一方は物がまがることや、事実をまげて伝えることを意味しており、もう一方は角が立たないいい方を意味しています。

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