この記事では、「進行」と「侵攻」の違いを分かりやすく説明していきます。
「進行」とは?
進むと行くという漢字から成り立つ「進行」。
車や電車などの乗り物が目的地に向かい進むことを意味する言葉です。
そのほか、最初から決めていたこと、考えていたこと、に沿って作業する、動き出す、活動する、といった際に用いられるほか、ものごとや病状などが悪化するといった意味もあります。
このような意味から同じような意味を持つ言葉には、「進展」や「進歩」、「前進」、「進み」、「行進」など、「進」を用いたものが多くあります。
「進行」の使い方
「進行」には、「進行方向」、「進行方法」、「進行中」、「進行係」、「進行性」、「現在進行形」などといった言葉があります。
また、「進行」の使い方としては、「進行が早い・遅い」や「進行を妨げる」、「進行を阻止する」などがあります。
「侵攻」とは?
侵略の侵に攻めると書いて「侵略」。
その漢字の意味通り、ほかの国の領域に攻め込むことを意味します。
その際、攻め込む方法には軍事的な手段を用いられることになります。
また、「侵攻」の場合、必ずしも、ほかの国の領域を奪い取ることが目的ではなく、攻撃するといった意味が強い言葉となります。
このような意味から同じような意味を持つ言葉には、「攻略」、「乱入」、「侵入」、「襲来」、「占拠」、「攻め込む」などがあります。
「侵攻」の使い方
「侵攻」には、「侵攻可能」や「敵の侵攻」といった言葉のほか、「侵攻に備える」や「侵攻を開始する」、「侵攻を防ぐ」、「侵攻を図る」などといった使い方があります。
「進行」と「侵攻」の違い
「進行」も「侵攻」も同じ「しんこう」と読み、読み方は同じですが、その意味は全く異なります。
「進行」は、目的地に向かい進むことを意味し、日常的によく用いられる言葉です。
一方「侵攻」は、ほかの国の領域を攻め込むことを意味し、単に進むといった意味の「進行」とは違います。
軍事的な攻撃が伴い、その結果、ほかの国の領域を占拠するために進むといったものとなるのです。
「進行」の例文
・『絶対に進行中の電車の進行を妨げてはいけません。』
・『この度、今回の会合の進行係をさせて頂く事になりました。』
・『私は英語が苦手だと感じ始めたのは、現在進行形を習い始めたころです。』
・『父のガンの進行が早くなり、急遽、手術を行うことになりました。』
「侵攻」の例文
・『敵の侵攻を見渡せる高台に本部を設置することにしました。』
・『軍事的な圧力によって、敵の侵攻を防ぐことに成功した。』
・『侵攻を開始する合図が響き渡りました。』
・『何とか敵が本土に上陸し、侵攻することだけは防ぎたい。』
まとめ
同じ読み方でも全く意味が異なるため、注意が必要な「進行」と「侵攻」です。
「進行」は何かが単に前に進むことを意味し、「侵攻」はほかの国の領域に攻め込むといった大きな違いがあります。