この記事では、「遺跡」と「遺構」の違いを分かりやすく説明していきます。
「遺跡」とは?
「遺跡」とは、過去の人類の生活や活動のあとを示すものとなります。
そこで、どのような生活を過去の人類が行っていたのかなどがわかる場所を「遺跡」と言います。
この場合、貝塚や古墳、集落の跡などが「遺跡」の代表的な存在です。
そのほか、昔の建物や歴史的な事件などがあった場所を意味することもあり、この場合、旧跡や古跡を指すものとなります。
また「遺跡」には、先人の残した両氏や官職を意味することもあります。
このような意味から、「遺跡」を別の言葉で置き換えた場合、「遺産」や「旧跡」、「遺跡」、「遺址」、「古跡」などとなります。
「遺跡」の使い方
「遺跡」の場合、「○○遺跡」といったように、どこの「遺跡」なのかを示す使い方が多くなります。
例えば、青森県にある「三内丸山遺跡」。
島根県にある「石見銀山遺跡」。
インドネシアにある「ボロブドール遺跡」などが有名です。
そのほか、「縄文時代の遺跡」や「弥生時代の遺跡」、「古代ギリシアの遺跡」、「古い文明の遺跡」などいつの時代の「遺跡」なのかを示す言葉も多くあります。
「遺構」とは?
「遺構」とは、残存する古い建築物を示す言葉です。
そのほか、美香氏の都市や建造物の形。
構造を知る手掛かりとして残っているもの。
例えば、考古学で言えば、住居跡や倉庫跡、水田跡、井戸跡、宮都跡、道路跡、寺院跡などが「遺構」にあたります。
「遺構」の大前提は、「今ある場所から動かすことができないもの」です。
その場から動かすことができない構成要素を持ったものが「遺構」となります。
「遺構」の使い方
「遺構」は考古学において、いくつかに分類されています。
「生活にかかわる遺構」をはじめ、「生業にかかわる遺構」、「生産にかかわる遺構」、「交易や交通にかかわる遺構」など、全9つに分類されています。
「遺跡」と「遺構」の違い
どちらも歴史あるものを示す「遺跡」と「遺構」。
昔のことを知るうえで欠かすことができない大切な研究資料であることは間違いありません。
そのうえで、微妙な違いがある「遺跡」と「遺構」。
「遺跡」の場合、過去の人類が生活してきた証すべてを示す言葉となり、古墳や貝塚をはじめ、石器や木器、鉄器、農具、貨幣、農産物の痕跡など、古い時代のものすべてを指す言葉となります。
一方、「遺構」は、「遺跡」の中でも、動かすことができないもののみを示す言葉となり、古墳や貝塚、城跡などといったもののみを示すものとなります。
このことから、「遺跡」は、不動産的要素を指すものとなります。
まとめ
以上が「遺跡」と「遺構」の違いです。
どちらも、考古学を研究するうえで重要なものを指す言葉ですが、その言葉がさす内容が少し異なります。
幅広く使用可能な「遺跡」に対し、不動産的存在と少し絞ったもののみを示す「遺構」となります。