この記事では、「酷似」と「類似」の違いを分かりやすく説明していきます。
「酷似」とは?
「酷似」は、「そっくり」とも言いかえることができ、非常によく似ていることを意味する言葉です。
比較するものは1つや2つだけではなく、複数のものでも可能で、それらが、同じに思えるほど、よく似ている状態を意味します。
ただし、「酷似」の場合、あくまでも、似ているものとなります。
そのため、実際には別物となり、状態や性質によって違う部分があります。
このような意味から類語には、「共通」「相似」「近似」が挙げられ、対義語には、「差異」が挙げられます。
「酷似」の使い方
非常に近い状態のものを示す際に用いられる「酷似」。
「酷似している」、「酷似した」、「酷似する」などのような使い方が主な使い方となります。
「類似」とは?
似かようといった意味のある「類似」。
お互いに共通する部分があることを意味する言葉です。
共通する部分は、どんな部分でもよく、その状態や状況、性質などにおいて、共通する部分がある場合「類似」ということになります。
このような意味から類語には、「共通」「相似」「近似」が挙げられ、対義語には、「差異」が挙げられます。
「類似」の使い方
共通する部分がある品物を意味する「類似品」、共通する部分がある点を意味する「類似点」、共通する部分がある犯罪を意味する「類似犯罪」、共通する部分がある行為を意味する「類似行為」といったような使い方がある「類似」。
そのほか、「類似している」、「類似する」などといった使い方もあります。
「酷似」と「類似」の違い
同じように、似ているもの、そっくりなもの、を意味する「酷似」と「類似」。
その似ている度合いを比較した場合、「類似」に比べ「酷似」の方が似ている点が多いことを意味しています。
どちらも、完全に同じものではないものの、より似ている点が多いものを示すのが「酷似」なのです。
そのため、似ている点の数や状況によって、「酷似」と「類似」を使い分ける必要があります。
「酷似」の例文
・『家電選びを行う際、そのメーカのものも非常に酷似していて迷ってしまいました。』
・『これは、大きさも色も形も非常に酷似しています。』
・『酷似している点を挙げてみると、驚くほどの多さに驚きました。』
・『街で、自分に酷似している人を見かけ、本当に驚きました。』
「類似」の例文
・『海外では、類似品が出回っていると聞き、慎重に買い物を行いました。』
・『少しでも費用を節約したいため、類似商品を選び費用を抑えることにしました。』
・『近所で類似犯罪が多発していると聞き、戸締りなどの防犯対策を強化することにしました。』
・『類似点が多い論文に気づき、より詳しく読んでみることにしました。』
まとめ
以上が、「酷似」と「類似」の違いです。
使い分けに迷った際は、「類似」よりも、より共通する部分が多いほうは「酷似」だということに注意することをおすすめします。