秋は新米が出回る時期です。
食欲の秋ということで、美味しいご飯が嬉しい季節です。
「釜飯」と「炊き込みご飯」はどちらも美味しいですが、その違いは意外と知らないかもしれません。
この記事では、「釜飯」と「炊き込みご飯」の違いを分かりやすく説明していきます。
「釜飯」とは?
「釜飯」とは、一人用サイズの小さい釜に、米や肉、または野菜などを一人分ずつ入れ、醤油や酒、みりんなどで味付けした米飯のことです。
飯茶碗などによそうことはせずに、釜から直接食べるのが、「釜飯」の独特の食べ方です。
駅弁の中にも「釜飯」があります。
「釜飯」を食べ終わった後も、釜を再利用できるところが嬉しい駅弁です。
「釜飯」は大正時代の関東大震災の炊き出しがきっかけで、その後、料理屋の女将が発案したと言われています。
「炊き込みご飯」とは?
「炊き込みご飯」とは、研いだ米の中に、野菜、魚や肉などを入れて味を付けて炊いたご飯です。
他にも、「五目ご飯」や「かやくご飯」などとも言われています。
特に秋の収穫時に旬の食材を入れて「炊き込みご飯」を作ります。
その時期にしか味わえない、旬の美味しさと季節を感じられることもあり、人気のあるご飯です。
一方、白米を炊いた後で、具材を混ぜて作るご飯は「混ぜご飯」と言います。
どちらも数人分用の釜や炊飯器などで炊き、飯茶碗などによそって食べます。
「炊き込みご飯」の歴史は古く、奈良時代にまでさかのぼります。
まだ米が十分に収穫できなかった時代に、米に他の具材を混ぜて量を増やして食べたのが始まりのようです。
当時はひえやあわ、麦などの他、野草や芋などを米に混ぜて炊いていました。
初めは苦肉の策で始まった「炊き込みご飯」も、次第に季節を感じるご飯へと変わって行ったところが興味深いです。
「炊き込みご飯」の歴史は日本の食文化と、大きく関係しているのかもしれません。
「釜飯」と「炊き込みご飯」の違い
「釜飯」と「炊き込みご飯」の違いを、分かりやすく解説します。
「釜飯」は一人分の釜で具材と一緒に炊き込んだご飯です。
一方、「炊き込みご飯」は数人分の釜や鍋、または炊飯器などで作ります。
どちらも米と具材を一緒に味付けして炊くところは同じです。
ですが、「炊き込みご飯」は必ずしも釜で作らないところが、「釜飯」との違いだと言えます。
また、「釜飯」はそのまま食べるのに対し、「炊き込みご飯」は茶碗によそってから食べるところも違っています。
まとめ
実りの秋は美味しい食材が多く出回る季節です。
また、過ごしやすい気温になり、食欲が出てくる時期です。
さらに新米が収穫の時期を迎えます。
ぜひ、新米と旬の食材を合わせた美味しい「炊き込みご飯」をいただきたいものです。
そして、秋は行楽シーズンでもあります。
駅弁の「釜飯」を食べながら、その土地の雰囲気を味わうのも良いかもしれません。
一人用の食事でも「釜飯」なら、その美味しさを十分に堪能することが出来るでしょう。
「釜飯」も「炊き込みご飯」も、それぞれの良さを生かした美味しさを味わいたいものです。