この記事では、三字熟語の「鉄面皮」の意味を分かりやすく説明していきます。
「鉄面皮」とは?意味
「鉄面皮」の読みは「てつめんぴ」で、「恥を恥と思わないことや、厚かましいこと、また、そのさまや、そうした人」を意味する言葉です。
「鉄面皮」の概要
「鉄面皮」を構成する三文字は、「鉄」と「面皮」に分解できます。
ここで「鉄」は金属の「鉄」を指し、「面皮」は「面(つら)の皮」すなわち「人間の顔の皮、皮膚」を意味します。
従って、「鉄面皮」の文字通りの意味は、「鉄で出来た人間の顔の皮」との意味になります。
こうした「鉄で出来た人間の顔の皮」では、周囲の空気や周囲の人々の視線を感じてることは出来ないことから、「恥を恥と思わないことや、厚かましいこと」の意味に転じたものです。
三字熟語を分解すれば、上記の通り、何となく言葉の成り立ちは推察できますが、この言葉には由来とされる逸話もあります。
その逸話は、昔の中国の科挙試験にも合格した王光遠という人物に纏わるものです。
この王光遠は、学才もあったのですが、それ以上に出世欲が異常に強い男でした。
そのため、出世のためならどんな恥をかいても平気で、有力者に取り入るために、仕舞には酒に酔った相手に自分を鞭で打たせ、それでも怒ることなくご機嫌取りをするに至りました。
それを見ていた人たちから「あんなことをされて恥ずかしく思わないのか?」と聞かれ、王光遠は、すかさず「この人に取り入れば良いことがあるので恥ずかしくはない」と言い切ったのです。
そこから人々は「光遠顔厚きこと、十重の鉄甲のごとし」、すなわち「光遠の厚かましさは、十重にもの鉄の甲のように分厚い」と称し、そこから厚かましい人、面の皮が厚い人を「鉄面皮」と呼ぶようになったと言う説です。
ちなみに、「鉄面皮」に似た言葉に「鉄仮面」という言葉があります。
この言葉を人に使う場合には、その人が「あまり話さず、考えていることを表に出さないこと」を指すもので、「鉄面皮」とは、全く使われる意味が異なります。
「鉄面皮」の言葉の使い方や使われ方
「鉄面皮」の言葉は、以下の例文のように使われます。
・『皆に多くの迷惑を掛けても平気で、その上に自分勝手な要求するとは、彼は鉄面皮です』
・『政治家は、ある意味で鉄面皮でなければ務まらない職業と、言えるのかも知れませんね』
・『彼女の鉄面皮ぶりに、周囲の人は唖然としていました』
・『あの先輩は、出世欲が強い鉄面皮と言われていおり、絶対に一緒に居たくないタイプです』
・『彼の図々しさは、面の皮が厚いとの表現では足りず、まさに鉄面皮と言うにふさわしい』
「鉄面皮」の類語や言い換え
「鉄面皮」の類語や言い換えとしては、「厚顔」や「無恥」や、それを組み合わせた四字熟語の「厚顔無恥」、さらに「図々しい」や「恥知らず」や「強心臓」や「面の皮が厚い」などが挙げられます。
まとめ
「鉄面皮」とは、「恥を恥と思わないことや、厚かましいこと、また、そのさまや、そうした人」を意味する言葉です。