「隔世の感」とはどのような意味なのでしょうか。
今回は、「隔世の感」の意味と類似表現について解説します。
「隔世の感」とは?意味
「隔世の感」とは、「世の中がすっかり変わってしまい自分の知っていたものとは全く違うという感覚」という意味の言葉です。
「隔世の感」の概要
「隔世の感」の「隔世」とは「時代の違い」や「世界の差」など個別の事象ではなく「取り巻く全てが大きく違っている様子」を意味します。
自分たちにとっては常識だったものがいつの間にかすっかり変わってしまい通用しなくなっていたり当然とされていた感覚が時代遅れだったりなど「知らない間に自分が時代や世間から取り残されてしまい常識が通用しなくなっていることをしみじみと感じる感覚」を指して「隔世の感」と表現します。
「隔世の感」がよく使われるのは「世代による常識の違い」です。
世の常識というのは世代ごとに大きく変わります。
その世代にとっては当たり前だった常識も時代が経ち世代が移り変わると全く通用しなくなってしまうのが一般的です。
例えば、昭和の中頃は男性の喫煙率が9割に近く成人男性ならたばこを吸っているのが常識でした。
現代の喫煙率は3割程度と昭和の頃に比べれば大きく下がり成人男性でもたばこを吸っている人のほうが少数派です。
大人の男奈良たばこを吸っているのが当たり前、という女雨式の中で育ってきた昭和世代の男性にとってタバコを吸う人のほうが少ないという現代の感覚はまるで別の世界の出来事であるかのように感じられます。
そのような「自分たちの常識が通用しないほど世界が大きく変わってしまったという思い」が「隔世の感」が意味するものです。
「隔世の感」には「自分たちは変わっていないのに世界が大きく変わった」という意味合いがあります。
地域差のように同時代でも常識が異なる場合には使われず「同じ場所、同じ文化なのに世の中が大きく変わり自分たちが持つ感覚が通用しない」ことを表します。
言葉のニュアンスとしては大きな常識の変化に感心したり感じ入ったりといったじっくりと心で感じている様子が含まれており、変化に対する怒りではなく戸惑いつつもどこか納得しているようなしみじみとした心持ちを表します。
「隔世の感」の言葉の使い方や使われ方
・『女性でも当たり前のように大学へ進学する話を聞くと隔世の感がある』
・『若者がコツコツと貯金していると聞くと、あればあるだけ使っていた我々の頃とは隔世の感がある』
・『海外旅行に10万円以下で行けるという話を聞いた時にはさすがに隔世の感があった』
・『今の若者はネット上に素顔や本名を晒すのに全く抵抗がないと聞いたときには隔世の感を禁じ得なかった』
「隔世の感」の類語や言いかえ
・時代の違いを感じる
「昔と違ったことを見て時代が経ち世界が変わったことを実感する」という意味の言葉です。
時代の変化を通関している様子を表す言葉で「隔世の感」とはほとんど同じ意味合いです。
・今昔の感がある
「今と昔を比べて大きく時代が移り変わったと感じる」という意味の言葉です。
時代による違いを強調している言葉で今と昔とではっきりと違いがあるときに用いられます。
今と昔とで良くなっているときも悪くなっている時もどちらでも使われる表現です。
まとめ
「隔世の感」はややかたい表現ですが日常会話でも使われる一般的な言葉です。
言葉だけを見ると難しそうに思えますが意味する感覚はだれでも一度は感じたことがあるであろうなじみ深いものです。
言葉の意味を正しく理解して使いこなしてください。