「あることの限りの場所」、「そこまで、というポイント」を表現する言葉として「際限」、「限界」という言葉があります。
どちらも似たイメージで使われる言葉なので、使い分けに迷う人もいるのではないでしょうか。
しかし、この二つの言葉には見落とせないニュアンスの違いや、使い分けのポイントがあります。
この記事では、「際限」と「限界」の違いを分かりやすく説明していきます。
「際限」とは?
「さいげん」と読みます。
移り変わっていく状態の最後のところを意味します。
物事の限界のところです。
終わり、きり、限り、果てとも言われます。
たいてい「ない」という言葉を伴い、「きりがない」という、うんざりしたニュアンスや意味で使用されるのが一般的です。
「際限」の使い方
「際限」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『人間の欲望には「際限」がないものです』
・『選挙の候補者はマイクを握りしめ、「際限」もなく話し続けました』
・『戦いが「際限」なく続き、人々は希望が持てなくなっています』
・『貧富の差の議論は「際限」なく続く話で、今すぐ解決できるものではありません』
「限界」とは?
「げんかい」と読みます。
ある物事が及ぶ一番端、これ以上はないというぎりぎりのさかいを意味します。
その状態をもちこたえることのできる、ぎりぎりのところを示します。
限りのことです。
似た言葉に「限度」、「極限」などがあります。
「限界」の使い方
「限界」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『私は今回のプロジェクトに参加して、自分の能力の「限界」を知りました』
・『もう我慢の「限界」です』
・『私の体力の「限界」を超えるところまで来ています』
・『これ以上待てません。もう「限界」です』
「際限」と「限界」の違い
それでは「際限」と「限界」の違いを、改めて整理してみましょう。
いずれも「物事の限りの場所」という意味は同じです。
しかし「際限」が「最後のところ」という意味を持つのに比べて、「限界」は、まだ物事の最後まで来ておらず続きはあるが、その人にとっては「それ以上進めない」という意味が強くあります。
よって「体力」や「耐える我慢」など、「能力」を意味する言葉を伴うのが一般的です。
また、「際限」がないという表現は、いつまでも果てしなく続く状態に、人々が疲れを感じているニュアンスがあります。
つまりネガティブな状況に使われますが、「限界」がないという表現は、どこまで突き進むアグレッシブな状態をイメージさせ、肯定的なニュアンスで使われる場合が多い、という違いもあります。
まとめ
この記事では「際限」と「限界」の違いをみてきました。
どちらも「物事の限りの場所、ポイント」に使われる言葉ですが、「最後という意味があるか」、「能力を意味する言葉を伴うか」、「ネガティブか」「ポジティブか」という違いがあります。
判断基準をおさえつつ意味と違いを理解し、正しく使い分けるようにしてください。