「雅味」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「雅味」

「雅味」「がみ」と読みます。

普段の会話では中々使われない言葉で、直接文字を見ないと意味が通じにくい言葉です。

「雅味」の意味

「雅味」の意味と語源について紹介します。

「雅味」の意味

「雅味」の意味は、「上品で味わい深い様子」「風流で趣(おもむき)のある様子」ということです。

一般的には美術品や工芸品など芸術的なものに対して使われますが、料理に使われることもあります。

料理の場合は、旬の素材の味や調理人による味付けはもちろん、盛り付けや食器などに対しても使われます。

和食の持つ季節感や見た目など、「趣(おもむき)」という意味を表すのです。

「雅味」の語源

「雅味」の由来は非常に古く、語源は漢字から来ています。

「雅」「みやび」と読み、昔高貴な人達が使っていた宮廷での様子を表す「宮ぶ」という言葉が語源です。

上品で都会的に振る舞うことや、見た目が洗練されている様にすること対して「宮ぶ」と言われていました。

これに対して田舎っぽいこことを「ひなび」と呼び、「雅」の対義語になっています。

日常生活とは程遠い宮廷での生活での様々なことを「みやび」と呼び、貴族文化を象徴する言葉です。

「味」は、「あじ」の他に「味わい」という意味があります。

ものごとの深みや、表面的にはすぐに分らないけれども、接したり経験したりすることで段々と分かってくる良さを表しています。

この2つの言葉が組み合わさり、日本独特の「風流で趣深い様子」という意味になったのです。

「雅趣」との違い

「雅味」とよく似た意味の言葉に「雅趣」があります。

「雅趣」もまた「風流な趣」「優美で味わいのある様子」という意味がありますが、こちらは見た目のことを表します。

分り易い例を挙げると「雅味」は高級な和食店の名前に使われて、「雅趣」はギャラリーや工房の名前に使われています。

「雅味」の言葉の使い方

「雅味」の使い方には以下のポイントがあります。

名詞として使う

「雅味」は名詞として使われ、多くの場合「雅味がある」と表現されています。

動詞として「雅味する」とは使われません。

文章で使うのが望ましい

「雅味」は高貴で上品で味わい深い様子を表しているので、褒め言葉として使えます。

但し、会話で使うと相手に分って貰えない可能性が高くなります。

「雅味」は文章の中で使う様にして、会話では「みやび」と言った方が通じ易いでしょう。

「雅味」を使った例文・短文(解釈)

「雅味」を使った例文と解釈を紹介します。

「雅味」の例文1

「京都には歴史的な建造物が多くて実に雅味がある」

京都には朝廷があったことから貴族文化が栄えていて、上品で趣深い建物が多くあります。

その建物に入るだけで当時の様子がイメージできて高貴な気分に浸れることを表しています。

「雅味」の例文2

「旬の素材を使った料理で雅味を堪能する」

こちらは和食料理の味という意味で雅味が使われています。

但し、味だけではなく盛り付けや器など、細かい部分まで和食ならではの芸術的なセンスがあるという意味も含まれています。

「雅味」の例文3

「あの人は元は貴族出身で立ち振る舞いに雅味がある」

現在でも皇族や貴族の子孫や末裔という人がいます。

庶民として生活していますが、由緒正しい家に育った人は躾がきちんとされていて、立ち振る舞いが非常に上品です。

一般人とは違い貴族の雅を感じさせることを表しています。

「雅味」の例文4

「水墨画には洋画にはない雅味がある」

水墨画は元々中国から来たものですが、日本に伝わると独特の雰囲気を持つ様になりました。

白と黒の濃淡を見事に使いこなして描かれていて、カラフルな洋画に比べてシンプルで落ち着きがあり、なんとも優雅な雰囲気があります。

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