「面影を重ねる」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「面影を重ねる」とは?意味と使い方

この記事では、「面影を重ねる」の意味を分かりやすく説明していきます。

「面影を重ねる」とは?意味

過去を思い出して浮かんでくる顔や姿を、別のある人に重ねるという意味です。

面影には、過去を思い出して浮かんでくる顔や姿という意味があります。

今目の前にはないけれど、心の中に思い浮かべられるものをいいます。

重ねるには、あるものの上に同類のものをのせるという意味があります。

たとえば、机の上に1冊の本があります。

この上に別の本をのせます。

こういったことが重ねるが意味するものです。

「面影を重ねる」という場合は、本の上に本をのせるということではなく、心に浮かぶある人の顔や姿を、別のある人の顔や姿にのせるといった意味になります。

物理的にそれは無理なので、心の中での作業になります。


「面影を重ねる」の概要

今はいないある人のことを懐かしく思うことがあるでしょう。

そんなとき、別のある人に今はいない誰かを重ねてしまうことがあります。

子どもを残して亡くなった母親がいたとします。

子どもは母親に顔が似ています。

母親は目がキリッとしていて、唇は薄く、面長な顔をしていました。

子どもも目がキリッとしていて、唇が薄く、面長な顔をしています。

子どもが小さかったころは、まだ子どもっぽさがありましたが、大きくなるにつれて母親にどんどんと似てきました。

子どもの顔を見た父親は、母親(妻)の様子をその子どもに重ねました。

父親は妻を非常に愛していました。

亡くなったときの心の傷は非常に大きく、何年経っても妻を忘れることはできず、妻のことを愛し続けています。

そんな大切に思っている妻なので、その様子を他のものに求めてしまうことがあります。

子どもは妻に非常によく似ていて、妻の様子を重ねてしまうのです。

このように、今はないけれど心に思い浮かべられるものの姿を、別のあるものに重ねることをこの言葉は意味しています。


「面影を重ねる」の言葉の使い方や使われ方

今はないものの顔や姿を別のものに重ねるときに使用をします。

今生きている母の姿を子どもに重ねるといったことには使用をしません。

この場合、重ねるもの、つまり母が生きているからです。

今存在しているものを、別のあるものに重ねる場合には使用しません。

動物や物には一般的には使用しません。

食べてしまってすでになくなったリンゴの姿を、別のものに重ねるといったことはいわないのです。

「面影を重ねる」の類語や言いかえ

「面影を残す」が似た意味の言葉です。

心に思い浮かぶ顔や姿が、別のあるものにそのまま存在するさまを意味しています。

「面影をしのぶ」も似た意味の言葉です。

心に思い浮かぶ顔や姿を懐かしく思うさまを意味します。

まとめ

今はなくなってしまったものでも、記憶の中には残っています。

記憶から呼び起こせば、心の中に顔や姿を見ることができます。

その顔や姿を別のあるものに重ねることを、この言葉は意味しています。

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