この記事では、「順応」と「適応」の違いを分かりやすく説明していきます。
「順応」とは?
「順応」には2つの意味があります。
一つは、環境や状況など周囲の状態が変わるにともない、生物の性質や行動がそれにあうように変わることです。
引越しをして新しい生活がはじまることで考えてみます。
大学を卒業し、新卒で入社をしました。
仕事をするにあたり、実家から出て一人暮らしをすることになりました。
新しい仕事、新しい住む場所と、新しいことばかりです。
今までの環境や状況からの変化があります。
最初は慣れないことばかりで、電車の乗り換えに迷う、時間に遅れる、食事作りに失敗するなどがあるでしょう。
しかし、しばらくすれば慣れてきて、こういったことがうまくできるようになってきます。
環境や状況に自分自身があうようになってきたのです。
このように、周囲にあわせて変わることを、この言葉は意味しています。
もう一つの意味は、外側からの刺激に対して、感覚器官が慣れてくることです。
明るい屋外から屋内に移動をすると、最初は周囲が暗く見えますが、次第に暗さが解消します。
電気をつけて暗さが解消したのではなく、目が慣れてきたのです。
このような感覚器官の働きを意味しています。
「順応」の使い方
周囲の環境や状況の変化にあわせて、性質や行動が変わり、その環境や状況にあうようになることという意味で使用をします。
新しい生活に慣れる意味で使用されることが多いです。
「適応」とは?
「適応」には3つの意味があります。
1つめは、その状況や条件によくあっていることです。
中学校では、1クラスが30~40人ほどです。
この中には、数学が得意な人もいれば、苦手な人もいます。
学力が違うのです。
そこで、学力にあわせてある教科のクラスを設けることがあります。
たとえば、数学の時間に苦手な人はAクラス、得意な人はBクラスというふうにわけて、能力にあわせて学習できるようにするのです。
Aクラスの人には、その授業がよくあっています。
しかし、Aクラスの授業はBクラスの人には簡単すぎてあわないでしょう。
Bクラスの人にはBクラスの授業がよくあっています。
この取り組みは「能力に適応した教育」ということができます。
その場の条件と能力がよくあっているのです。
2つめは、環境にあわせて生物の形態・習性・性質などが、長い年月をかけて変わることです。
これによって生物が進化してきたと考えられます。
3つめは、人間が外側の環境や状況にあわせて、行動や考えを変えていくことです。
だらしなかった人でも、きっちりした人に囲まれて生活をしていると、きっちりした人に変わってくることがあります。
こういった変化のことを指しています。
「適応」の使い方
周りにあわせて変化する、周りの状態によくあっているという意味で使用をします。
「順応」と「適応」の違い
環境や状況にあわせて、行動や性質が変わるという意味が似ています。
しかし、ややニュアンスが異なり「順応」はよくあうように変わることですが、「適応」は「よくあうように」という意味合いはありません。
まとめ
周囲にあわせて変わるという意味が似ている言葉です。