この記事では、「頻繁」と「頻発」の違いを分かりやすく説明していきます。
「頻繁」とは?
「頻繁」は(ひんぱん)と読みます。
「頻」訓読みでは(しき(り))ですが、「しきりと後ろを振り返る」などで使うあの「しきり」です。
ある事態が引き続いて起こるとの意味を持ちます。
「繁」は訓読みで(しげ(る))で、木が生いしげる(生い茂る)の「しげる」と同じ意味で、何かが増えたり盛んになったりすることを意味する漢字です。
そのために「頻繁」には、よく起こること、しきりに行われることを意味する言葉として使われています。
くだけた表現だと「ひっきりなしに」となります。
「頻繁に訪ねてくる」と「ひっきりなしに訪ねてくる」は意味的には同じものです。
また「よく訪ねてくる」とも言えますが、「頻繁」を使う方が、ちょっと数が多すぎるとのニュアンスが伝わります。
同義語には「常に」「休みなく」や「待ったなしで」などがあります。
「頻繁」の使い方
「頻繁」は日常生活の中でよく耳にする言葉です。
「頻繁に電話が来る」「頻繁に泳ぎに行く」のように「頻繁に?」と使われます。
ただし使い方によっては、ネガティブに聞こえることもあるので注意が必要です。
例えば「頻繁に質問してくる」との表現には、「いつも質問してきて面倒だ」との意味も読み取れます。
もしネガティブな意味がないのであれば「よく質問してくる」のように「よく」を使うべきです。
こちらは、「よく質問して熱心だな」とのニュアンスを感じられます。
「頻発」とは?
「頻発」は(ひんぱつ)と読みます。
「頻」は前に説明した通り(しき(り))と読み、「発」は「発する」からわかるように、何かが現れたり、出たりすることを意味します。
そして「頻発」は、事件や事故などがよく発生することをあらわす言葉となっています。
簡単な表現では「よく起こる」「よく発生する」となります。
「飛行機事故が頻発した」 を子供なら「飛行機事故がよく起きた」と言うのが一般的です。
いずれにせよ、ありがたくないことがたくさん起きると言うニュアンスを持つ言葉です。
「頻発と」同じような意味を持つ言葉には、「多発」「乱発」などがあります。
また対義語には、「稀(まれ)」や「稀有(けう)」があります。
「頻発」の使い方
「頻発」は、災害や事故、もしくはトラブルが続けて起こるのを表現するときに用いる言葉です。
動詞の「する」と一緒に用いられることが多くなっています。
この言葉は「水難事故が頻発した」「地震の頻発」など望まないことが何回も起きる時に使い、良い意味では使われることはない言葉です。
「頻繁」と「頻発」の違い
「頻繁」と「頻発」は、どちらも何かがよく発生する、起こることを表現する言葉です。
しかし「頻繁」が人の意思が関与している事柄の頻度をあらわす一方で、「頻発」は人の意思ではない自然現象や現象が起きる頻度をあらわしています。
「頻繁」の例文
・『そんなに頻繁にスマホばかり見るのは失礼だよ』
・『昔は頻繁に足を運んでくれたのに、今ではすっかりご無沙汰だな』
・『後ろの人から頻繁に話しかけられて、講義に集中できなかった』
・『もっと頻繁に遊びにきてくれたらうれしいのに』
「頻発」の例文
・『最近は東北地方で地震が頻発している』
・『この道では自転車の事故が頻発している』
・『洪水が頻発しているので、ここに住むのは怖い』
・『雪崩が頻発するので、スキー場は閉鎖になった』
まとめ
「頻繁」と「頻発」は、短い間に同じことが起こるのを表現する言葉です。
しかし「頻発」は、望まない災害、事故、トラブルに使う言葉です。
この違いを理解して、二つの言葉を使い分けてください。