この記事では、「飢え死に」と「野垂れ死に」の違いを分かりやすく説明していきます。
「飢え死に」とは?
食物がなく、空腹で死ぬことです。
人間が生きていくためには食物が必要です。
植物は二酸化炭素や光を利用して自ら糖などをつくり出すことができますが、人間はこのようなことができません。
そのため、外から食物をとって、体を動かしたり、維持したりするためのカロリーや栄養素を摂取しています。
それによって、人間は生命を維持しています。
日本では食物を手に入れられずに死ぬことはあまりありませんが、まったくないわけではありません。
厚生労働省が2016年に発表したものだと、その数は15人だとされています。
海外でも食物を得られずに死んでしまう人がいて、国によっては日本よりも多いです。
「飢え死に」の使い方
食べるものを得られないことが理由で死ぬことです。
食べものを与えられているのに、自ら選んで食物を口にせず死んでしまうことではありません。
「野垂れ死に」とは?
道端などで倒れて、手当や世話をされることがなく、そのまま死ぬことです。
なぜ倒れたのかは、この言葉の意味には含まれていません。
多くの場合、飢え、怪我などがその理由です。
日本の大都市の場合は、どこかで倒れても誰かに発見されることでしょう。
倒れているところを発見された場合には、救急車を呼んだり、手当をしたりなどされることが少なくありません。
しかし、こういったことをしてもらえない場合は、そのまま死んでしまうことがあります。
また、人が滅多に通らないところでは、誰にも見つけられず、手当などをしてもらうことがなく、死んでしまう可能性があります。
「野垂れ死に」の使い方
道端などで倒れて、手当や世話などをしてもらうことがなく、そのまま死んでしまうことを指して使用します。
「野垂れ」は当て字ですが、「野」という漢字には、のはら、自然のままという意味があります。
つまり、「野垂れ死に」は、家の中ではなく道端などの外で死ぬことを指しているのです。
そのため、家で死ぬことには使用しません。
「飢え死に」と「野垂れ死に」の違い
どちらも死ぬことを指していますが、どのような死に方なのかという点に違いがあります。
前者の言葉が意味しているのは、食べものを得ることができず死ぬことです。
死の原因が飢えです。
後者の言葉が意味しているのは、道端などで倒れて世話をしてもらうことができずに死ぬことです。
死の原因は、主に外で倒れて看護してもらえなかったことです。
「飢え死に」の例文
・『飢え死にしそうなところを救われた』
・『飢え死にしそうだと思った』
「野垂れ死に」の例文
・『野垂れ死にせずにすんだ』
・『野垂れ死にしそうなところを発見された』
まとめ
どちらの言葉にも死ぬという意味が含まれています。
2つの言葉の違いは、死に方です。
飢えで死ぬのか、外で倒れて世話をされずに死ぬのかという点が違います。