『描く』というアーティスティックな表現をするときに頭に浮かぶのは『Draw』と『Paint』です。
どちらも中学校レベルの動詞ですので英語が苦手な方でも一度は聞いた事があると思いますが具体的な違いがあるのはご存知でしょうか?
この単語も英語らしい微妙なニュアンスの違いが存在しています。
この記事では“Draw”と“Paint”の違いを分かりやすく説明していきます。
「Draw」とは?
一言で説明をすると『ペンなどの筆記用具を使って何かを描く』という意味を表す動詞です。
特に筆記用具に限定はなく、何かしらの絵を書くときに使う単語とも言えます。
面白いのが、設計図を『Drawing』と言います。
これは設計図というある意味で『絵』ともいえるものからスタートした名残なのかもしれません。
今ではコンピューターを駆使して設計図を書く場合が多いと思いますが、その場合でも『Draw new designs. 』(新しいデザイン図を描く。)と表現をします。
もともとこの単語は古英語で『Dragan』(引っ張る、引く)という言葉から発しており、現在でも『引く』という意味の他動詞としても使われている英単語です。
その意味ではペンや筆記用具などを駆使して線を引くというのはとても適切な表現ではないでしょうか。
「Paint」とは?
一方『Paint』とは『塗料を使って塗る』という意味です。
ペンキで壁を塗るという行為が一番イメージがしやすいのではないでしょうか。
実は『Paint』は名詞で『ペンキ』を表しますのでこれで単語のニュアンスをより定着させることができるはずです。
厳密には絵具を使って何かしらの絵を『描く』場合はこの『Paint』を使います。
なぜなら塗料で塗っているからです。
言語学的にもラテン語で『Pingere』(塗る)から来ています。
「Draw」と「Paint」の違い
この2つは『筆記用具などで描く』か『塗料を塗る』かで使い分けることができる単語です。
何か細い線で輪郭などをはっきりさせた表現を描く場合は『Draw』を使い、塗料で『塗る』場合は『Paint』と覚えて頂ければ間違いありません。
面白いのは『Drawing』する人は『Drawer』とは言わず『Illustrator』(イラストレーター)や図面などであれば『Engineer』(設計者)と言うのですが、『Painting』する人は『Painter』つまり『画家』ということが出来ます。
英語の微妙なニュアンスを感じることができる単語がこの『Draw』と『Paint』です。
まとめ
如何でしたでしょうか。
同じ『描く』でも使う道具によって単語が変わるのが『Draw』と『Paint』でした。
東洋も『書く』と『描く』がある様に、西洋にも同じ様な微妙なニュアンスを使った言葉があるのはとても面白い文化的な違いではないでしょうか。
これ以外にも使う道具によって表現が変化する動詞が存在していますので是非チェックしてみることをお勧めします。