IT業界で用いられている言葉「デスマーチ」とはいったい何を指しているのでしょうか?
この記事では、「デスマーチ」の意味を分かりやすく説明していきます。
「デスマーチ」の意味とは?
「デスマーチ」とは、英語の“death march”のことで、「死の行軍」、「死の行進」という意味になります。
IT業界では、プロジェクトスタッフに対して、過酷で劣悪な労働環境や、度を超えた過重労働を強いるプロジェクト内容、及びプロジェクトの現場を指す業界用語になります。
上記のような現場は、プロジェクトスタッフに対して、心身ともに極めて重大な負担を与えます。
プロジェクトスタッフの疲弊は、仕事の能率を下げ、プロジェクトの失敗や質の低い状態での納品、さらにはプロジェクトスタッフの過労死や過労自殺まで招く可能性を指摘されています。
日本では略して、「デスマ」と呼ばれている場合もあります。
「デスマーチ」の由来とは?
“death march”(デスマーチ)とは、もともと戦争などで敵軍の捕虜や占領地の非戦闘員に対して、十分な食料や水、休息を与えずに徒歩での長距離移動を強いる行為を指します。
1944年から1945年の冬にかけて、ナチス・ドイツが囚人を強制移動させたことに対して、後年の歴史家により名づけられ、同様の出来事に対しても“death march”が用いられるようになりました。
日本軍がアメリカ軍捕虜に対して行った「バターン死の行進」や、オーストラリア軍・イギリス軍捕虜に対して行った「サダンカン死の行進」が有名です。
IT用語として「デスマーチ」が用いられるようになった経緯
エドワード・ヨードン氏の著作で1997年に出版された「Death March: The Complete Software Developer’s Guide to Surviving “Mission Impossible” Projects(デスマーチ ? なぜソフトウエア・プロジェクトは混乱するのか)」 で取り上げられ、IT業界用語として使われるようになりました。
「デスマーチ」の具体的な例
・長時間労働で、残業が深夜にまで及ぶ現場。
・休日出勤が常態化し、スタッフが休みを取ることができない現場。
・スタッフから退職者や体調不良者による欠員が出る→残ったスタッフの負担が増える→負担の増大により、さらに残ったスタッフから欠員が出る→残ったスタッフの負担がさらに増えるという悪循環に陥っている現場。
まとめ
「デスマーチ」とは「死の行軍」、「死の行進」を意味し、IT用語において、プロジェクトスタッフに対して過酷で劣悪な労働環境や、度を超えた過重労働を強いるプロジェクト内容、及びプロジェクトの現場を指す業界用語になります。
「デスマーチ」は、プロジェクトの失敗や、最悪の場合、プロジェクトスタッフの過労死や過労自殺まで招く可能性を指摘されています。