「一浪」と「浪人」の違いとは?分かりやすく解釈

「一浪」と「浪人」の違い違い

この記事では、「一浪」「浪人」の違いを分かりやすく説明していきます。

「一浪」とは?

高校卒業後にすぐに大学受験し、合格して入学する者を「現役」と表現し、それに対して高校卒業後に、1年間受験勉強して入学した者を「一浪」と表現します。

すなわち「一浪」者には、高校卒業と大学入学に1年間のブランクが生じる事になるのです。

「一浪」の一は1年を指し、浪は「浪人」を指す言葉で、一年浪人を略して表現する用語と言えます。


「浪人」とは?

「浪人」とは高校卒業後すぐに大学に入学するのではなく、卒業後受験勉強に時間を費やし、1年以上のブランクを経て大学を受験したり入学した者を一般的に指す言葉です。

これは「大学受験浪人」と呼ばれる事もあります。

これは、学校においては「高校浪人」「中学浪人」も稀にあるため、これと区分するために大学を付して、念押ししていると言えます。

また景気が悪い時期には、大学を卒業しても、希望の企業の門戸が狭い事から、アルバイト等で凌いで改めて次年度の定期採用試験を受ける学生も少なくなく、こうした人達は「就職浪人」と表現します。

元々この「浪人」と言う言葉は、次に記載する様に、江戸時代の武士の仕事の状態を指し示す言葉として使われたものです。

江戸時代の武士は、一般的には藩に仕えるか、将軍に直接仕える直参旗本です。

しかし何らかの理由で藩が取り潰され、属する藩や仕えるべき藩主がいなくなる事も稀にありました。

また江戸時代の末期になると、倒幕に対する想いから自ら脱藩する武士も増えていました。

この様に、士農工商の身分では武士でありながら、藩に属さず、仕えるべき藩主のない武士を「浪人」「素浪人」と呼んでいました。

ここから転じて、進学して学生を続けたいと思いながら、進学できずに、どこの学校にも属さない状態にある者に「浪人」と言う言葉を流用し始めたのです。

「浪人」が進学時にブランクがある状態を指すもので、大学において進級出来ない「留年」とは峻別して使用される言葉です。


「一浪」と「浪人」の違い

「浪人」とは、江戸時代に属する藩がなく、仕える藩主のいない武士を指す言葉として使われていました。

それが転じて、進学や就職できずに属する学校や会社の無い状態の者を「浪人」と表現する様になった言葉です。

大学受験等に置いては、「浪人」は1年間のみならず、2,3年続ける人もいますが、その中で1年間「浪人」状態の人を限定して「一浪」と呼んでいます。

すなわち、「一浪」「浪人」に含まれる言葉と言え、「一浪」の人を単に「浪人」と表現しても間違いではありません。

まとめ

「浪人」とは、江戸時代に属する藩がなく、仕える藩主のいない武士を指す言葉として使われていました。

それが転じて、進学や就職できずに属する学校や会社の無い状態の者を「浪人」と表現する様になった言葉です。

その「浪人」の中で、「浪人」状態が1年の人を限定して「一浪」と表現します。

すなわち、「一浪」「一年浪人」を略したものと言えます。

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