「鍋奉行」
この鍋奉行は、鍋がおいしいシーズンになると、どこからか現れるものです。
と言っても、同じ鍋を囲む仲間うちの中からの話で、そのような職業がある訳ではありません。
一度そう呼ばれた人は、次回に鍋を囲む際にも同様に呼ばれることになり、正直なところ、あまり好かれる存在ではありません。
しかし、それは鍋の時だけの話であり、とてもそうとは見えない人がそうだったりするケースも少なくありません。
「鍋奉行」の意味
壁奉行とは、鍋を囲む仲間うちで、投入する具材の順番や量についてうるさく指定したり、自らその役目に就こうとする人のことです。
鍋から具財を取るタイミングまでその人の許しが必要だというケースも多く、このような人が居ると、鍋は完全にその人の仕切りの上で食べることになってしまいます。
文字通り、その鍋の「奉行」(昔の役人の呼び方)だという訳です。
いざ鍋だという時に、誰かがいきなりこれになってしまったり、そうだと分かっているので、あの人はは呼ぶのをやめようと判断されたり、いかにもあの人らしい(普段から仕切り屋の人など)ということなど、この鍋奉行には色々なパターンがあります。
そんなに悪い言葉でもありませんが、場合によっては鍋の際にこれが分かり、意外とうるさい人なのだというイメージが付いてしまうこともあるので、出しゃばり過ぎには注意してください。
「鍋奉行」の類語と解釈
鍋奉行の類語に、「焼肉奉行」があります。
これも文字通り、仲間うちで焼肉を食べる際に、1人で肉や野菜の焼き方についてうるさく指摘し、その鉄板の奉行になってしまう人のことです。
鍋奉行の焼肉版だと考えると分かりやすいと思いますが、こちらの方もあまりいいイメージはなく、物が食べるタイミングが鍋以上に重要な焼肉なだけに、鍋の方よりうるさいと思われてしまうことも多いと言えるでしょう。
鉄板焼きの場合も含めて「鉄板奉行」とも呼ばれ、お好み焼きで人の分までおせっかいを焼く人も、同様に「お好み奉行」と呼ばれることがあります。
「鍋奉行」の言葉の使い方
鍋奉行は、あの人がそうではないかと思った時や、その場で誰かがそうだと分かった時、あるいは自分がそうであると自ら使う場合もあります。
ただし、自分からそうだと言ってしまうと、鍋がある時に誘われなくなってしまう可能性も高いので気を付かないといけません。
「鍋奉行」を使った例文・解釈
鍋奉行を使った例文です。
どれもあまりいい意味(人)として使っていませんが、実際にもこのような使い方になると考えておいていいでしょう。
「鍋奉行」の例文1
「あの普段は地味な人がまさか鍋奉行だったとは、人は分からないものだ」
一緒に鍋を囲んだ際にそれが発覚し、驚いているという例になります。
鍋奉行の特徴として、普段から仕切り屋気質の人がそうだとは限らず、全くそのような人だとは思えない人が実はそうだったということも多いです。
「鍋奉行」の例文2
「どうやら鍋奉行が2人もいる最悪の鍋になったようだ」
鍋奉行は必ずしも1人とは限りません。
もし2人が1つの鍋に同席してしまうと、その人たち同士であれこれうるさく(どちらも自分の主張を通したいので)何やらと始まってしまい、楽しい鍋どころではなくなってしまいます。
これは、避けようと思っても避けられないこともあるだけに(意外な人が鍋奉行だった為に)、そうはなってしまった際にはどうしようもありません。
「鍋奉行」の例文3
「鍋奉行は焼肉奉行なことも多いようだ」
大勢で何かを囲む際に、つい仕切りたくなる気質の人が、そのようになってしまいがちだと言えるでしょう。
鍋奉行だと分かっている人を焼肉や鉄板焼きなどに誘う際には注意が必要です。
「鍋奉行」の例文4
「いちいち鍋奉行にあれこれ言われるのが嫌なので、1人1人別の鍋で提供して欲しい」
鍋は皆でつつくからこそ楽しいものですが、鍋奉行の所為でその楽しい雰囲気が台無しになってしまうくらいなら、1人1人別の小さな鍋で提供してもらった方がいいかも知れません。