「周章狼狽」とは
四字熟語であり「しゅうしょうろうばい」と読み、そのまま音読みをすればいいので難しい読み方ではありません。
よくテストで出題される四字熟語ですが、日常会話ではあまり使う機会がなく、馴染みのないことばでしょう。
「狼」「狽」で中国の伝説、架空の動物を差しており、「狼」は前脚が長く後ろ脚が短く、逆に「狽」は前脚が短く後ろ脚が長いので、一緒に行動しないとバランスを崩してしまいます。
「狼」「狽」常に一緒に助け合って生きていたのですが、「狼」と「狽」がバラバラになってしまったのです。
その時の様子がこの言葉の語源と言われています。
「周章」はあわてふためき、動きまわることを言います。
「周章狼狽」の意味
「周章狼狽」は二つのことばに分かれます。
「周章」と「狼狽」で、「周章」も「狼狽」も、どちらもあわてふためくさまで同じ意味です。
このように四字熟語では同じようなことばを重ねて使う事も多く、どちらか片方だけを使ってもいいのですが、重ねることにより、より意味が強調されるからです。
「周章狼狽」の意味は、ひどくあわてて、うろたえる意味で、ただあわてるのではなく、ものすごくあわてている様子を言います。
「周章狼狽」の言葉の使い方
「周章狼狽」はあわてふためくさまを強調する言葉なので、ちょっとびっくりした程度の場面ではなく、言葉を失うような、とてもじゃないが冷静でいられない、ひどく取り乱すようなことが起きたときに使います。
人は前もって予測できないような事態におちいると、あわてふためきまが、そのような場面で使われる四字熟語が「周章狼狽」です。
うろたえる意味が含まれるので、嬉しい、喜ぶサプライズで使われることはなく、どちらかと言うと、ネガティブなショックなできごとの場面で使われます。
また、同じような四字熟語として「右往左往」があります。
「周章狼狽」を使った例文・短文(解釈)
ここでは、さらにわかりやすいように「周章狼狽」を使った例文をあげて説明します。
自分や相手がいかに驚いているかを表現します。
「周章狼狽」の例文1
芸能人が不倫現場を週刊誌にスクープされ、後日、正式に記者会見をし全否定しました。
しかし、会見の最後にさらなる証拠として、LINEのやりとりが公表されました。
芸能人は「周章狼狽」し、つじつまの合わないことを言い始め、もはや説明がつかず最終的にすべて認めることになりました。
「周章狼狽」の例文2
会社の重要なプロジェクトのリーダーを初めてまかされ、締め切り前日、深夜まで一人で残業し、ようやく資料が完成。
しかし、パソコンのエラーでデータが破損し大事な資料が消えて「周章狼狽」しました。
「周章狼狽」の例文3
突然、家の電話が鳴り、電話に出たら、夫が事故にあい救急車で搬送された知らせでした。
私は「周章狼狽」し、その時のことはよく覚えていません。