この記事では、「肖像画」と「自画像」の違いを分かりやすく説明していきます。
「肖像画」とは?
「肖像画」とは、「しょうぞうが」と読み、画家や肖像画家が、特定の人物の顔や姿を描いた絵を指します。
「肖像画」は、写真という技術がまだなかった時代、地位の高い人や貴族などが自分の生きた姿を後世に残す為や、「肖像画」を作成できるという経済力を示すため作成されてきました。
古代ローマ時代などに描かれていた「肖像画」は、高位な人以外も広く「肖像画」を制作しており、人が亡くなった際などの葬送儀礼などに使用されていました。
15世紀に入ると、「肖像画」は芸術作品としての色が強く表れるようになり、貴族や聖職者などに盛んに描かれるようになっていきます。
17世紀ごろから、貴族などの上位階級を中心に描かれていた「肖像画」ですが、一般にも描かれ始めます。
近年では、画家個人が持っている世界観やイメージが優先される「肖像画」が描かれるようになり、写実性ではない「肖像画」であっても、描かれた人物の個性などが感じさせられる作品が評価されるようになったのです。
「肖像画」の使い方
「肖像画」は、画家が特定の人物の姿を描いた作品を指す場合に使用されます。
その描かれる絵画は、写実性であるかどうかという事については問われず、いかに描かれた人物が感情や内面を表しているかどうかが評価のポイントになります。
「自画像」とは?
「自画像」とは、「じがぞう」と読み、画家が自分の事を描いた作品の事を指します。
「自画像」は、多数の有名画家が作品を残していて、美術作品において重要なジャンルと言えます。
「自画像」においても、忠実に再現して描かなければならないという事はなく、内面や感情を表すような「自画像」も多数描かれています。
また「自画像」に自分が描かれていない「自画像」も存在します。
その特徴は自分が愛用している持ち物などが中心に描かれている物や、誰もいない部屋などに対して「自画像」というタイトルを付ける画家も存在します。
「自画像」の使い方
「自画像」は、自分を描いた作品を指す場合に使われます。
「自画像」は、自分を忠実に描いている必要性はなく、自分の現在の感情を描いていたり、自分の持ち物を描いたり様々な方法で「自画像」を哲学的に表現される場合があります。
ですので「自画像」は、描いた画家本人がその絵が「自画像」と説明しているのであれば全て「自画像」となり得るのです。
「肖像画」と「自画像」の違い
「肖像画」と「自画像」の違いは、自分を描いている場合については「自画像」、自分を含めたそれ以外の人物を描いている場合は「肖像画」という事になります。
まとめ
「肖像画」も「自画像」も、人物を描いた作品となりますが、描かれる方法については画家本人に委ねられます。
忠実に描かれている作品ももちろん存在しますが、絵自体が人物を模していない作品なども、画家が「肖像画」や「自画像」と説明すれば、その作品は「肖像画」「自画像」となるのです。