この記事では、「じわる」と「笑える」の違いを分かりやすく説明していきます。
「じわる」とは?
「じわる」とは、後から徐々に笑いや面白みがこみあげてくることです。
近年に若者言葉として使われるようになった新しい言葉で、2015年には三省堂の「今年の新語 2015」大賞に選ばれました。
これは、副詞の「じわじわ」に接尾辞の「る」を組み合わせたもの、あるいはオノマトペ(擬態語)の「じわ」に「る」を付け、新語の「ぱくる」のように動詞にした言葉と考えられています。
「じわじわ」「じわ」は、物事がゆっくり進行するさま、浸透するさまを形容する言葉です。
そのため、じわじわ(じわ)を動詞化した言い回しからは、何かがゆっくり広がってくる様子がうかがえます。
若者言葉の「じわる」は、面白さ、笑いが徐々に広がっていく様子を表し「初めは別に面白くなかったのに、後からじわじわ面白くなってくること」を伝えたい場合に用いられています。
どちらかというと爆笑する、大うけする面白さではなく、考えていくうちに面白さがわかってくる、思い出してニヤニヤする、といった奥深い面白さを表す言葉です。
なお、それほど面白くない時、その旨を遠回しに表現したいため「じわる」を使うことがあります。
「じわる」の例文
・『さっき見た動画のネタ、後からじわるんだよなあ』
・『じわる面白さがありますね』
「笑える」とは?
「笑える」【わらえる】とは、面白くてつい笑ってしまうこと、自然に笑ってしまうようなおかしさを表す言葉です。
「笑える」は、動詞「笑う」を下一段活用して語尾を「~える」に変えたものです。
「笑う」を「笑える」に変えると、そこに「自発」や「可能」のニュアンスが加わってきます。
「自発」は自然と行動を起こすこと、「可能」は行動が起こせることを表し「笑える」は面白くて自然に笑ってしまう状況を表します。
「笑う」との違いは「笑う」が素直に面白くて笑っているのに対し「笑える」は「別に笑いたくないのに、強制的に笑ってしまう」ような自嘲的なニュアンスも含むところです。
そのため「笑える」は楽しくて笑ってしまう状況を指すこともありますが、軽蔑や自虐の意味を込めて使われることも多くなっています。
「笑える」の例文
・『笑える動画を見つけたので、君も一度見てみろよ』
・『長年貢献してきたのにクビなんて、まったく笑える話だよ』
「じわる」と「笑える」の違い
「じわる」と「笑える」の違いを、分かりやすく解説します。
「じわる」は、後からじわじわと面白さが感じられること、「笑える」は自然に笑ってしまうことを指す言葉で、ニュアンスが異なります。
「笑える」は面白いことがあった時にその場で笑う状況にあたりますが「じわる」はその場ではまだ面白さがわからないので、すぐに笑うことはありません。
また「じわる」は面白いことがあった後に起こる行動ですが「笑える」は「実際には面白くない、笑えない不幸な状況」を自嘲する時にも使われます。
まとめ
「じわる」と「笑える」は、どちらも特有の笑い方を表す言葉です。
単純に面白い時に使うこともありますが、どこか皮肉をこめた表現として用いることもあり、意味合いは複雑です。
日常会話で使われることが多い言葉なので使い方を間違えないよう、正しい意味を覚えておきましょう。