「郡」と「群」の違いとは?分かりやすく解釈

「郡」と「群」の違いとは?違い

この記事では、「郡」「群」の違いを分かりやすく説明していきます。

「郡」とは?

行政区分で町や村の上の部分になり、都道府県の下にある地域の単位として使われています。

平成の大合併では大きく数を減らしましたが、現在でも残っている地域が多いです。

また、市町村合併の際に市の名前に変えていることもあり、昔の地域を表す言葉として用いられています。

市町村合併は平成の大合併以外にも何度か行われ、市制施行される前には郡の中に構成する地域が含まれてきました。

「郡」そのものの歴史は大化の改新の際に「こおり」が成立されてますが実際には「評」と記され、大宝律令の際に設置されたと伝えられています。

その後、明治時代になり1878年に郡区町村編制法により行政区分として用いられ、1890年に府県制とともに郡制ができました。

郡制は1923年に廃止され、戦後の1947年に地方自治法が制定され現在に至っています。


「群」とは?

漢字で表記すると「君」「羊」になり、丸くまとまってむれを作ることになります。

また、同じものが一つのところに多く集まることになり、動物などに使われやすいです。

多くのものが狭い場所に集まっていることを指すため、動物以外に星などにも使われています。

「群」はあくまでも数字として用いられ、多くのものの集合体になることが特徴です。


「郡」と「群」の違い

共通点はただ単に「ぐん」と読むことで、集まっているものをまとめていることです。

しかし、実際には共通点より相違点が多く、違いを探すと多くあります。

「郡」はあくまでも行政区分になり、複数の町村が集まっているものになります。

一方の「群」は動物や星などの動くものが一定の範囲の中に集まることを示し、その様子が一つの塊のように見えることが特徴です。

一例として「群馬県吾妻郡中之条町」は、馬が集まっていることが県名になり中之条町は吾妻郡に含まれていることになります。

このため、「郡」「群」は漢字の読み方は同じですが、意味や使われ方は大きく異なります。

また、「郡」は行政区分の一種として昔からある言葉ですが、「群」「君」「羊」を組み合わせた造語で数を表していることが特徴です。

「郡」の例文

・『日本で一番小さい町は大阪府泉北郡忠岡町である。』

・『山武郡市広域斎場は東金市にあり、東金市や山武郡の町村の共同火葬場だ。』

「群」の例文

・『エゾシカの群れが平原に現れ、季節の訪れを感じる。』

・『オリオン座流星群は神秘的な雰囲気を表すような星の並びが特徴的である。』

まとめ

「郡」「群」は同じ読み方で間違いやすい漢字表記ですが、使われ方や表す意味は大きく異なります。

また、それぞれの漢字の成り立ち方や歴史も大きく変わっているため、きちんと使い分ける必要があります。

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