この記事では、「柄」と「模様」の違いを分かりやすく説明していきます。
「柄」とは?
「柄」という言葉は、生地、体格、品位に関して使われる言葉です。
「生地の絵柄」といえば、生地に描かれている絵や模様のことになります。
「花柄のスカート」「ヒョウ柄のTシャッツ」などです。
これは英語にすると“pattern”、“print”となります。
また、「あの人は大柄だ」「小柄な女性」と言えば、人の体格の大小を表す時の言葉になります。
これは英語では“build”です。
そして人や家系などの品位や性質も「柄」という言葉で表現できます。
「家柄が良い」「柄が悪い」「柄にもなく照れている」などがその一例です。
英語に置き換えるなら、品位を表す場合は“dignit”、性質なら“character”となります。
「模様」とは?
「模様」という言葉が使われているのは、物の表面にある絵や形を表す時、状況を表す時、可能性を示唆するケースです。
市松模様、唐草模様、幾何学模などを耳にしたことがあると思いますが、ご存知の通りこれは物の表面にある絵や形のことです。
特に伝統工芸品の表面に描かれている絵やデザインに「模様」が使われています。
また状況を表す時にも「模様」が使われます。
「その模様を後からお伝えします」では、「その時の状況」という意味になります。
また天気の状況は「空模様」「雨模様」と表現できます。
他にも「模様」は、可能性を示す場合にも使用される言葉です。
「今後は厳しくなる模様です」とは、将来そうなる可能性があるという意味を表します。
「柄」と「模様」の違い
「柄」と「模様」は、どちらも絵やデザインを表し、よく耳にし、自分でも口にすることが多い言葉です。
では「柄」と「模様」の違いをはっきりと認識している人は多くありません。
「柄」は、一般的に生地の絵やデザインに対して使われます。
私たちは「柄」という言葉を通して、「生地や布」を連想できます。
例えばベッドカバーに花の絵が描かれていれば「花柄のベッドカバー」になります。
もちろん「花模様ベッドカバー」でも間違えではありません。
しかし、この場合には布のニュアンスが弱くなります。
「模様」は、表面の絵やデザインを表す一般的な言葉です「柄」という言葉はこの、「模様」の中に含まれています。
そして伝統工芸品の表面に施されている絵や形状については、「模様」で表現されるのが一般的です。
唐草の絵が描かれている布製品である風呂敷でも「唐草柄」ではなく、「唐草模様」と呼ばれます。
水玉も同じように、「水玉柄」とはならず「水玉模様」になります。
まとめ
「柄」と「模様」の言葉の意味はとてもよく似ています。
「花柄のワンピース」を、「花模様のワンピース」と表現しても、意味は伝わります。
しかし、上手に日本語を使い分けられる人は、生地であるワンピースに施されている絵は「柄」で表すはずです。
小さな違いでも、それを知ることで日本語力が上達します。