この記事では、「念入り」と「入念」の違いを分かりやすく説明していきます。
「念入り」とは?
「念入り」とは、ひとつひとつの小さなところまでよく気をつけて、ある事柄を行うこと、またそのさまです。
シンクの掃除のことで考えてみます。
シンクは水けや食べものの汚れなどが付着しやすく、汚れを放置しているとすぐにカビが生えてしまいます。
食品を扱う場所にカビが生えていると、衛生面で心配があります。
カビが生えないようにするためには、小さな汚れも逃さずに取り除き、水分はしっかりと拭き取ることが大切です。
「半分に割れたご飯粒が1つ残っているくらいいいか」「水滴が多少ついていてもいいか」というのは、小さなところまでよく気をつけているとはいえません。
「念入り」な掃除とは、たとえ小さなご飯粒でも取り除き、1滴の水分でも見逃さずに拭き取るようなさまをいいます。
小さなところを見逃しません。
非常に注意をして物事を行うさまを意味しています。
「念入り」の使い方
ひとつひとつの小さなことまで気を抜かず、非常に注意をして物事を行うこと、またそのさまを指して使用をします。
反対の態度は大雑把です。
細かなところまで注意が行き届かず、丁寧でないさまを大雑把といいます。
「念入り」は、これとは反対のさまについて使用をします。
「入念」とは?
「入念」とは、ひとつひとつの小さなところに、非常によく気を配ること、またそのさまです。
文化祭の準備のことで考えてみます。
文化祭でお化け屋敷を行うことになりました。
お化け屋敷を行うためには、お化け役の人が着る衣装や装飾などが必要です。
より雰囲気を出すために、細かなところまでこだわりました。
明日は文化祭という日、衣装にほころびがないか、装飾が剥がれていたりしないか、お化け役の人の体調は大丈夫か、配置の確認はしたかなど、細かなところまで注意をしました。
このようなさまを「入念に準備する」といいます。
小さなところにまで非常に気を配っています。
「入念」の使い方
ひとつひとつの小さなところにまで、非常によく気を配ることについて使用をします。
反対な態度は大雑把です。
小さなことには気を配らず、いい加減なさまとは反対のことを指して、「入念」を使用をします。
「念入り」と「入念」の違い
どちらの言葉にも、細かなところにまで気を配って丁寧に行うという意味があり、ほぼ同じことを指しています。
使い方にも大きな違いはなく、使われる場面にも違いはほぼありません。
「念入り」の例文
・『念入りに化粧をする』
・『念入りに調べる』
・『念入りなチェックを行っています』
・『念入りに確認しました』
「入念」の例文
・『入念に選びました』
・『毎回入念に消毒しています』
・『入念にシミュレーションを行う』
・『入念に計算されているデザイン』
まとめ
どちらの言葉も意味はほぼ同じで、使い方もほぼ同じです。
大きな違いはない言葉です。