「逃避」と「回避」の違いとは?分かりやすく解釈

「逃避」と「回避」の違い違い

この記事では、「逃避」「回避」の違いを分かりやすく説明していきます。

「逃避」とは?

「とうひ」と読みます。

逃避の「とう」は逃げるという意味を表す漢字です。

つまり、逃避とは物事や事態から逃げることで避ける様子を表している言葉なのです。

避けるべき状況に直面し、危機感や恐怖心を抱いたことで「逃げるべし」と判断。

その後、直感的に起こした行動です。

同じ事態に直面した場合、やり過ごすことを選べば待機となりますが、じっとしていられない焦りが逃避という行動を選択させるわけです。

例えば、『現実逃避』は、誰もが意味をよく知る言葉です。

例えば、受験生なのに勉強が上手く捗らない状況に焦りを感じ、ゲームに時間を割いてしまうことは現実逃避です。

勉強するしかないと分かっていても、受験に失敗したときのことを考えすぎて集中できなくなってしまう自分。

やらなければならないと頭では理解していても、思うようにならない事態を直視できず、無駄なことに時間を費やしてしまいます。

受験に限らず、多かれ少なかれ現実逃避は誰もが経験したことがあるはずです。


「回避」とは?

「かいひ」と読みます。

回避の「回」は真っすぐに進まずに曲がって進むことを表しています。

つまり、回避とは回り道をして避けるべき事態に直面しないように備える行動なのです。

『責任回避』という言葉があります。

これはあまり良い意味で使われることはなく、責任を取らされる前に対策を講じることを意味します。

例えば、上司が部下にミスを押し付けたり、知らんぷりしたりする行為のことです。

この行為を選択する前には、ミスを犯したことを隠蔽し、叱責を免れようと画策したはずです。

まさに自分の評判を落してしまうという最悪の事態に対する備え。

ときには回避が身を助けます。


「逃避」と「回避」の違い

逃避と回避の大きな違いのひとつは、行動のタイミングです。

逃避は避けるべきものに直面したときに選択する行動です。

一方の回避は、避けるべきものがやってくるかもしれないと察知し、最悪の事態に陥ることがないように予め選択する行動。

トラブルに直面してから逃げ出すのとトラブルに見舞われないように避けて通る違いがあります。

多くの人は、なるべくトラブルに遭わないように行動したいと思っていて、急いで逃げ出さなければならない逃避よりも遠回りに思える回避のほうがリスクが少ないと考えることでしょう。

また、リスク管理が徹底している人は大抵の場合においてトラブルを回避できますが、リスク管理が甘い人は逃避せざるを得ない状況に直面しがちです。

そして違いのもうひとつは、距離の取り方です。

逃避は逃げることで嫌なことから距離を置き、回避は回り道をすることで嫌なことに近づかないままに距離を保つ。

このふたつのポイントが、逃避と回避の大きな違いです。

まとめ

逃避と回避は、どちらも距離を置くための行為です。

とても似た言葉ですが、このような違いがありました。

ドラマティックな場面で使うのでしょうが、実際にそのような場面に出くわすのは避けたいものです。

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