この記事では、「冷淡」と「冷酷」の違いを分かりやすく説明していきます。
「冷淡」とは?
「冷淡」には、2つの意味があります。
1つめは、物事に興味や関心を示さないこと、熱心でないことです。
サッカーの試合で、1点ゴールを決めれば勝利できる状態だったとします。
選手たちの活躍により、ゴールを決めることができ、チームは勝利をしました。
このとき、多くの人は歓声をあげることでしょう。
そういった状態でも、興味を示さない、熱をもっていない状態を「冷淡」といいます。
もう一つの意味は、同情や親切心を示さないことです。
不幸な人がいると、何とかしてあげたいという親切心を持ったり、同情をしたりする人もいますが、そのような気持ちを抱かない人もいます。
「冷淡」とは後者の態度です。
心の温かさがない状態を意味しています。
「冷淡」の使い方
興味や関心を示さない態度を指して使用をします。
同情や親切心を示さないのも、相手に興味や関心がないからといえるでしょう。
相手に対して関心がないと、よそよそしい態度になることが少なくありません。
「冷酷」とは?
「冷酷」とは、思いやりがなくむごいことです。
「むごい」には、無慈悲、見るにたえないほど痛々しいという意味があります。
人間を搾取する、人を殺してまで自分が世界を支配しようとする、このような態度は思いやりがない、無慈悲だといえるでしょう。
「冷酷」には、思いやりがないという意味だけでなく、むごいという意味も含まれており、いつくしみのないことやそのさまを意味しています。
「冷酷」の使い方
思いやりがなくむごいことについて使用をします。
戦争や、苦しみを訴えているのに苦しみを与え続ける行為は、むごいといえるでしょう。
他人の心情に心を配らないだけでなく、むごい意味も含んで使われる言葉です。
「冷淡」と「冷酷」の違い
どちらの言葉にも思いやりがないという意味が含まれていますが、意味合いは違います。
「冷淡」の場合は、相手に注意を向けず、思いやりがない状態です。
他の人が困っていても自分には関係ない、といった態度が「冷淡」です。
「冷酷」の場合は、思いやりがなくむごいことです。
いつくしみ、あわれみ、なさけなどのないことをいいます。
また、「冷淡」には、物事に興味や関心がない、熱心でないという意味もありますが、この意味は「冷淡」にはありません。
「冷淡」の例文
・『人々との反応は冷淡だった』
・『冷淡な対応をする』
・『冷淡な視線を向けられる』
・『親に冷淡な態度をとる』
「冷酷」の例文
・『彼の言動は冷酷だ』
・『冷酷な犯罪者』
・『冷酷なキャラクター』
・『冷酷な一面を持っている』
まとめ
どちらの言葉にも、心がつめたい、情が薄いという意味を持つ「冷」という漢字が使用されています。
思いやりがないという意味を持つ2つの言葉ですが、「冷淡」は相手に対して関心がなくて思いやりがない、「冷酷」は思いやりがなくてむごいという意味があり、意味合いが違います。