人が驚いた時の表現としては「仰天」や「吃驚」があります。
後者の「吃驚」は読み仮名を「びっくり」と読むことがあり、どちらも出来事に対して驚く様を示す意味があるのが特徴です。
この記事では、「仰天」と「吃驚」の違いを分かりやすく説明していきます。
「仰天」とは?
「仰天」は「ぎょうてん」と読み、驚いて天を仰ぐ様を示します。
あまりにも驚いて天を仰ぐので一瞬だけではなく、出来事に対して長く驚く意味を持っているのが特徴です。
不意の出来事や突然の出来事に対しての驚きであり、サプライズを含むイベントや出来事に対して感情的に大きく驚く時に使われます。
天を仰ぐという身体的な反応がありオーバーアクションな反応を示す時にも使われますが、心理的なショックを示す時にも「仰天」は使われます。
顔を上げて天を仰ぐ行為は次第に顔を元に戻すようになるので、立ち直りや復帰することが通常です。
「吃驚」とは?
「吃驚」は読み方が2つあり、「びっくり」、「きっきょう」のどちらも意味は同じとなっています。
「吃驚」の意味は「びっくり」の読み方をするとかなり分かりやすく、いきなり起きた出来事に対して驚く様を示します。
驚きだけではなく動揺、心理的ショックなどの反応をする際にもこの言葉は使われます。
想定外の行為や不意の出来事などに対して驚く意味を持っているのですが、これらの出来事は良いものも悪いものも存在しているので、両方の意味で使うことが可能です。
驚く様を示す「吃驚」ですが、「びっくり」という読み方から「びくり」という言葉から派生したという一説もあります。
「仰天」と「吃驚」の違い
「仰天」や「吃驚」はどちらも予想外の出来事に対して驚く様を示しています。
「仰天」の方は顔を天に上げて驚く様をしめしており、やや長めの感情を示すことも可能です。
「吃驚」の方は単純に驚いたり度肝を抜かれるなどの感情を示すものであり、一瞬驚くことを示すことが多いのが特徴です。
これら2つの熟語を合わせたものとしては「吃驚仰天」があり、これは「びっくりぎょうてん」という読み方で有名であり、驚きが特に深い時に使われることが多いのが特徴です。
同じような類義語としては「茫然自失」、「顔面蒼白」があり、こちらはより深い驚きを示す意味があります。
「仰天」の例文
・『富士山から見た御来光は私に取って仰天するようなインパクトがあり、インスピレーションを得た』
・『突然後方から車が衝突してきて吃驚仰天した』
「吃驚」の例文
・『その屋敷を探検していたところ、幽霊のようなものが通り過ぎていったので吃驚してしまった』
・『蔵に残っていた骨董品を鑑定に出したところ、吃驚するぐらいの値段が付いて祖父の鑑定眼を再認識しましたよ』
まとめ
「仰天」と「吃驚」はどちらも急な出来事に対して驚く様を意味しています。
どちらも単独で使うことが可能ですが、一緒にした熟語である「吃驚仰天」の方もよく使われています。