こちらの記事では、「後世」と「後生」の違いについて分かりやすく説明していきます。
「後世」とは?
後世とは、こうせいという読み方をする言葉です。
のちという意味を持つ後の文字に、世の中という意味を持つ世という漢字が組み合わさって生じた言葉となっています。
なので後の世という意味と共に、自分達が生きている時代よりも後に来る時代や、後の世を生きる人、即ち子孫を表す言葉として使用されているのです。
「後世」の使い方
後世は、後の時代や子孫に向け、後世に伝える、とか、後世に名を残すといった使い方がされる事が多く見られます。
特に直に関わる事が出来なくなるであろう、後の世やその時代を生きる人達に向ける際に、この言葉を用いる事が少なくありません。
「後生」とは?
後生とは、こうせいという読み方をする言葉となっています。
後に生きるという組み合わせの言葉である事でも推測出来る様に、あとから生まれて来る人や、後から学ぶという意味合いから後輩を表す言葉です。
なので後から生まれたり、学び始める人でも自分に関わりが持てる相手に対して用いる事が出来る言葉となっています。
「後生」の使い方
後生は、後輩を表す際に使用する事が比較的多く見られているのです。
そのため、後生を育てるとか、後生畏るべし、といった使い方をする事が出来ます。
また、ややこしいのがあの世や来世という意味を込めて仏教用語として使用される事もある事です。
その際には後生は、ごしょうという読み方をすので注意が必要があります。
後生大事にする、というのがその使い方の代表例と言えるのです。
「後世」と「後生」の違い
後世と後生はどちらも、こうせいという読み方が可能な言葉となっています。
ただし後ろに続く文字に、世と生という違いがあるのがポイントです。
お陰で後世は、自分達が生きている時代よりも後に来る時代や、その時代を生きる子孫を表す際に用いる言葉となっています。
しかも自分が関わる事が出来ない時代や相手を表すので、後に生まれたとはいえ後輩という意味合いでこの言葉を用いるのは間違いとなります。
後生の方は、こうせいという読み方をする場合には、後に生まれたり後に学び始めた後輩という意味で使用される事が多いです。
「後世」の例文
『彼のこの作品は、紛れもなく後世に名を残すであろう』
『この映画で見せた彼女の演技は、後世に語り継がれるべき名演技だった』
『この悲劇が後世で繰り返される事がない様に、我々の時代に解決策を見出すべきだ』
『彼の偉業を後世に伝えるべく、銅像が建てられた』
「後生」の例文
『彼の技術だけでなく、キャプテンシーを是非とも後生に伝えて欲しい』
『今年入社した社員達は皆、非常に優秀で驚いている。正に後生畏るべしだよ』
『折角便利なプレゼントを貰ったのに、後生大事に仕舞い込んでいたら意味がない』
まとめ
後世と後生は、同じ読み方が出来る言葉ですが、2文字目の漢字が違うので持つ意味合いにも違いがあります。
後世は後に来る時代や子孫を表し、後生は後に生まれて来たり、後に学び始める後輩を意味する言葉です。
更に後生は仏教用語として、ごしょうという読み方をして用いられる事も多く見られます。