この記事では、「貴族」と「華族」の違いを分かりやすく説明していきます。
「貴族」とは?
「貴族」(きぞく)は、継承される称号や名誉を保持している特権を持っている階層を表す言葉です。
その多くは血統による世襲ですが、何らかの形で血統は関係なく貴族の称号を与えられる場合もあります。
しかしそれは「生まれながらの貴族」ではないと区別され「ることもあります。
そして一般的に「貴族」イコール家柄が良いとみなされています。
日本で有名な貴族といえば平安時代の藤原氏があげられます。
「平安貴族」「貴族文化」などの言葉を日本史の授業で聞いたことがあるはずです。
貴族というとヨーロッパをすぐに思い浮かべる人が多いようですが、イギリスなどではまだ貴族制度はあるものの、ロシアやフランスなどではフランス革命、ロシア革命により貴族制度は廃止されています。
日本には家柄や血統には全く関係ない「独身貴族」という言葉がありますが、これは貴族が裕福で優雅だとのイメージから作られた言葉です。
独身者は気ままで自分のためにお金を使えて優雅だということです。
家庭持ちの人が「君は独身貴族で羨ましいよ」など言うのを耳にします。
「華族」とは?
「華族」は日本の明治時代から太平洋戦争までの間に存在していた特権を持つ身分階級の名称です。
明治維新の前には、大臣や納言や大名という身分を持っていた貴族たちは、江戸幕府が倒れて身分制度が変えられた時に「華族」という身分になったのでした。
そして侯爵・伯爵・男爵などの爵位もつくられました。
しかし太平洋戦争が終わり日本国憲法が施行されると、この華族制度は廃止されました。
現在はかつて華族だった階級層の人たちやその子孫などを「旧華族」と表現します。
「貴族」と「華族」の違い
「貴族」と「華族」の違いを、分かりやすく解説します。
「貴族」と「華族」はどちらも特権階級を持つ身分を表す言葉です。
一般の平民よりも上層に属する階級として、特別に扱われていました。
「貴族」は昔から存在していましたが、「華族」は明治時代から戦前までの短い期間だけ存在していた階級です。
江戸時代が終わり明治時代になった時に、それまでの貴族に属する公家や大名が華族になったのでした。
つまり貴族と華族は同じ身分で、貴族の中に華族が含まれていると考えて良いでしょう。
また現在の参議院は日本の帝国議会では「貴族院」と呼ばれていて、皇族議員や華族議員などがそのメンバーとなっていましたが、全てが 皇族や華族以外の議員も入っていました。
まとめ
「貴族」と「華族」「貴族」と「華族」という階級を表す言葉は、裕福で由緒正しい家柄というイメージがあります。
日本では戦後に華族制度は廃止されましたが、実際にはまだ旧華族と呼ばれる人たちがいます。
現在は昔のような特別な特権などはありませんが、政治家にはこの旧華族の血筋を引く人が少なくないのも現実です。
「貴族」と「華族」は同じ階級ですが、時代によって呼び方が違うので、間違えないようにしましょう。