この記事では、「病室」と「病床」の違いを分かりやすく説明していきます。
「病室」とは?
特定の人が入る部屋のことです。
特定の人とは、病気の人のことです。
生理機能や精神機能が正常に働かず、苦痛や不快感を伴い、健康的な日常を送れなくなってしまった、生体の状態を病気といいます。
風邪をひいたとき、熱で体が重だるく、普段行っていることを容易にはできなくなります。
この状態が病気です。
咳がでる、熱が出る程度なら、病院に入ることは滅多にないでしょう。
しかし、大きな病気、たとえばガン、骨折、脳梗塞などになると、病院に入らなければならなくなることがあります。
このとき、病人が入れられる部屋が「病室」です。
風邪をひいたときには、家族から隔離されて、一人部屋で過ごすことがあるでしょう。
しかし、このときに入っている部屋のことはいいません。
この言葉は、病院の部屋のことを指しています。
「病人がいる」部屋ではなく、「病院の」部屋です。
「病室」の使い方
肉体的・精神的な機能が正常に働くなくなり、苦痛や不快感を伴い、健康的な日常生活を送ることが難しくなった人が入る、病院の部屋を指して使用します。
健康的な人は、この部屋に入ることはありません。
健康的な人は、普段意識しない言葉です。
「病床」は?
「病床」には、2つの意味があります。
1つめは、ある人が寝る場所です。
ある人とは、生理的・精神的な機能が正常に働くなくなり、苦痛や不快感を伴い、健康的な生活を営むことが難しい状態にあるものです。
風邪をひくと体を動かすのが難しくなってしまうことがあります。
そのようなときには、ベッドで眠ることでしょう。
この眠る場所を意味しています。
もう一つの意味は、病院や診療所などに設置されている、入院患者が眠るための床です。
自宅で健康を回復することが難しい病気になってしまったとき、一般的には病院に入ります。
病院で寝起きをするためには、眠るための場所が必要で、通常はベッドが与えられます。
このベッドのことを指しています。
「病床」の使い方
病気の人が眠る場所を指して使用します。
自宅でも、病院でも、病気の人が眠る場所なら、この言葉が使用可能です。
しかし、一般的には病院や診療所のベッドを指して使用されています。
「病室」と「病床」の違い
病気とかかわりのある言葉ですが、同じものを指しているのではありません。
「病室」は部屋です。
壁などで仕切られた一定の範囲を指しています。
「病床」は眠る場所です。
布団やベッドを指しています。
「病室」の例文
・『病室で音楽を聞く』
・『病室のカーテンを開ける』
・『病室に新しい入院患者がやってきた』
・『病室の人と話をする』
「病床」の例文
・『病床で妻が話していたこと』
・『病床を確保する』
・『病床が使用されています』
・『病床の友人を見ていられない』
まとめ
病気にかかわる2つの言葉ですが、一方や部屋、もう一方や床を指しており、意味が違う言葉です。