この記事では、「席」と「座席」の違いを分かりやすく説明していきます。
「席」とは?
「席」には5つの意味があります。
1つめは、腰を下ろす場所です。
腰ほどの高さがあるテーブルを使用して食事をするとき、床に座ってではテーブルの方が高くて食事をしにくく、立ったままでは行儀が悪いし、食事をしにくいです。
そのため、椅子を使用して食事をします。
この椅子など腰を下ろす場所を指している言葉です。
2つめは、地位、身分です。
「課長の席を狙う」などの使い方をします。
人が占めている地位を指しているのです。
3つめは、集まりなどが行われる場所です。
「婚礼の席」「宴会の席」などの使い方をします。
婚礼も宴会も、複数人が集まって催されるものです。
こういった場所のことを指しています。
4つめは、寄席です。
寄席とは、落語や漫才などが行われる場所のことです。
何人ものが集まる場所で、ここで落語などを見せてくれます。
5つめは、むしろ、ござです。
むしろやござとは、草や竹で編んだ敷物のことです。
「席」の使い方
日常的には、座る場所を指して使用されることが多くあります。
椅子など具体的な座るものを指しているのではなく、場所を指しています。
また、「婚礼の席」のような集まりを指しても使用します。
何人くらいが参加する、どれくらいの規模の集まりなのかという意味は含まれていません。
そのため、3~4人程度が集まる宴会の会場のことも、数十人が集まる結婚式の会場のことも指して使用することができます。
「座席」とは?
「座席」とは、腰を下ろす場所のことです。
具体的な腰を下ろす物を指しています。
公園でお弁当を食べたいなと思ったとき、ベンチを探しすことでしょう。
地べたにそのまま座ってしまう人もいるかもしれませんが、直接座るとお尻が汚れるので、座るものを探すはずです。
この座るためのものを「座席」は指しています。
「座席」の使い方
具体的な座るための物を指して使用します。
公園の地べたに座って、その地べたのことを指して使用することはありません。
これは、範囲の決まっている具体的な物ではないからです。
「座席」は、電車のシート、ベンチ、映画館のシートなどのことを指しています。
「席」と「座席」の違い
「席」は腰を下ろすための場所で、具体的な物ではありません。
「座席」は腰を下ろすための具体的な物を指しています。
「席」の例文
・『快適な運転席を設計する』
・『テラス席で食事をする』
・『店内には8席が用意されていた』
・『テントつきの席で観戦する』
「座席」の例文
・『座席の座り心地のよさに驚いた』
・『残りの座席数を確認してください』
・『座席の位置を調整する』
・『座席にコートが置かれていた』
まとめ
同じような使い方をする言葉なので、同じものを指しているように感じますが、一方は場所、もう一方は具体的な物を指しており、厳密に言うと違いがあります。