この記事では、「抽象的」と「具体的」の違いを分かりやすく説明していきます。
「抽象的」とは?
はっきりとしない、具体性に欠ける、頭の中で考えているだけのことや状態、様子を意味する「抽象的」。
形として表すことができず、その人本人の感覚だけといった場合も多く、人に説明するにあたり明確な形や事実、根拠などを示すことができないものを指します。
「抽象的」の使い方
「抽象的」を用いた言葉はたくさんあります。
「抽象的な質問」、「抽象的思考」、「抽象的な文章」、「抽象的な表現」、「抽象的な言い回し」、「抽象的な理論」などといったように様々なものを意味する言葉があります。
「具体的」とは?
明確に実体があることを意味する「具体的」。
はっきりとした実体があり、人に説明する際にも明確に示すものがあることを意味する言葉です。
その明確な実体は、ものごとがここに集まっているものとなり、その内容に嘘があってはいけません。
嘘ひとつなく、明確な事実のみ「具体的」と表現することができるのです。
「具体的」の使い方
「具体的」を用いた言葉はたくさんあります。
「具体的な方法」、「具体的な方向」、「具体的な計画」、「具体的な数字」、「具体的な内容」、「具体的な実例」、「具体的な形」、「具体的な話」など、明確な実体があるものを意味する言葉となります。
「抽象的」と「具体的」の違い
「抽象的」の対義語が「具体的」です。
そのため、「抽象的」と「具体的」は、まったく正反対の言葉となります。
明確な実体がない「抽象的」に対し、明確な実体が存在する「具体的」。
人に何かを説明する場合は、実体がある「具体的」が適していますが、芸術作品や作家の作品などにおいては、必ずしも「具体的」なものが良いとは限りません。
「抽象的」であるからこそ、見る人、読む人が魅力を感じる、引き込まれる、といったこともあり、良い意味として捉えられることも少なくありません。
「抽象的」の例文
・『部長は抽象的な話ばかりで、全然、会議の内容がまとまっていなくて困ります。』
・『私は、作家の抽象的な表現を理解することが苦手です。』
・『抽象的な議論ばかりでは、まったく意味がありません。』
・『時には、抽象的に考えることも必要です。』
「具体的」の例文
・『契約交渉を行う際、具体的な数字を挙げ進めたほうがスムーズに話が進みました。』
・『今後について、具体的な計画を上司に示しました。』
・『話の筋が見えない。もっと、具体的に説明することはできませんか。』
・『彼の好きなところを具体的に教えてほしいと言われ、「顔です」と言い、みんなに笑われてしまいました。』
まとめ
このように、「抽象的」と「具体的」は、対義語として取り扱われるほど、真逆の意味があり間違って使うことはできない言葉です。
人に説明する際には、「具体的」が求められ、芸術作品などにおいては、「抽象的」が評価される、そんな違いもあります。