この記事では、「律儀」と「律義」の違いを分かりやすく説明していきます。
「律儀」とは?
「律儀」とは、人の性質を表す言葉で、真面目で融通が利かないと思われるほど、自分の信念に忠実な性質を指す言葉です。
「律儀」の「律」は、ある基準に照らして自分を処する意味の言葉で、「儀」は、礼儀・行儀などにも使われる漢字で、法則といった意味があります。
従って「律儀」は自分で決めた法則=信念に忠実に自分を律するという意味になります。
「律義」とは?
「律義」とは、正しい道や道理に従う真面目さを指す言葉です。
「律義」の「義」には、正しい道・道理にかなったことを指す意味があるため、「律義」は上記の意味となるのです。
「律儀」と「律義」の違い
「律儀」と「律義」は、いずれも読みは「りちぎ」で、それぞれの漢字の持つ意味を分解して考えると、上記の様に少しニュアンスが違うようにも思えます。
しかしその意味の差はほとんどなく、国語辞典では全く同じだと表記されています。
「律儀」と「律義」は読みも同じで、意味も同じとすると、実際に表記する時は、どちらを使うべきか迷います。
言葉にシビアな全国紙の新聞社では「律義」の方を使う様にルール化しているようですので、参考にすれば良いでしょう。
もちろん、「律儀」と書いても間違いではありません。
この「律儀(律義)」は、『彼は社内のだれにでも律儀(律義)に挨拶をしてくれるので、皆に好感を持たれています。』や『彼は見かけによらず、お金や時間にとても律儀(律義)だから、周囲の仲間から信頼が厚い。』のように、一般的には褒め言葉として使われます。
しかし、何事も度が過ぎると、人の受け止め方は違ってくるものです。
従って褒め言葉として使われていた「律儀(律義)」もニュアンスが違って受け止められてしまいます。
例えば、『彼女は何かにつけて贈り物をしてくれる律儀(律義)な女性ですが、少し律儀(律義)過ぎて、こちらが負担に感じてしまいます。』のように、悪口とまでは行きませんが、有難迷惑といった風に捉えられる事も少なくありません。
「律儀(律義)」過ぎても、それを好意的に取られる事はもちろんありますが、有難迷惑と取られる事もあるので、その拘り度合いについては十分注意が必要と言えます。
次に「律儀(律義)」の類語としては、「真面目」や「実直」などが上げられます。
また反対語としては、「不義理」や「恩知らず」などです。
「不義理」は、人としての義理を欠くことの意味で、「恩知らず」は受けた恩義に報いない人のことを指すもので、「律儀(律義)」と反対の意味を表現する言葉と言えるのです。
まとめ
「律儀」と「律義」は、いずれも読みは「りちぎ」で、真面目で融通が利かないと思われるほど、自分の信念に忠実な性質を指す言葉です。
この2つの言葉のいずれの表記を使うべきかについては、大手新聞社では「律義」を使用する事をルール化しているのが一般的で、それを参考にするのも良いでしょう。
しかし、もちろん「律儀」を使っても間違いではありません。