この記事では、「綿密」と「緻密」の違いを分かりやすく説明していきます。
「綿密」とは?
「綿密」とは、すべての隅、あらゆる方面まで注意が行き届いていること。
細かいところまで調査や注意が行き届いていることです。
旅行の計画のことで考えてみます。
旅行をするとき、目的地だけ決めて、後のことは現地に到着してから決めるという人もいれば、旅行前にどこに何時に到着して何をするなど細かく決める人もいます。
「綿密」が意味するのは後者の人のようすです。
前者の人は大まかなことしか決めておらず、大雑把と言えるでしょう。
後者の人は、どこに行く、何時に到着する、何をするなど、あらゆる方面にまで気を配っています。
このように、細かなところまで気を配ることをこの言葉は意味しています。
「綿密」の使い方
あらゆる方面に注意を行き届かせること、またそのさまを指して使用します。
人間の行動に使われることが多い言葉です。
機械の設計や働きについては使用しません。
「緻密」とは?
「緻密」には2つの意味があります。
一つは、布や紙などのきめが細かいことです。
きめとは、表面の細かい形や模様のことです。
紙をじっくりと見ると、繊維が縦横に交わっていることがわかると思います。
この繊維の交わりによって作られている模様がきめです。
「肌のきめ」という使われ方もします。
肌のきめが粗いとくすんだり、ごわごわした印象になり、肌のきめが整っていると肌に透明感が生まれます。
この表面の模様が細かいことを「緻密」といいます。
先の肌の例だと後者の状態を指しています。
もう一つの意味は、細かいところにまで注意が行き届き、不足や欠点がないことです。
計画を立てることで考えてみます。
計画を大雑把に作ってしまうと、その後の行動も大雑把になり、仕事の場合だと問題が出てくる可能性があります。
一方、細かなところまで気を配って計画を立てておけば、その後の行動を具体的に起こすことができ、ミスを防げます。
「緻密」が意味しているのは後者のさまです。
「緻密」の使い方
注意が行き届いていて不足や欠点がないという意味では、仕事や手続き上のことで使われることが多いです。
機械の構造や運用については使用しません。
きめが細かい意味では、布地・紙・肌などについて使用されます。
「綿密」と「緻密」の違い
細かいところにまで注意が行き届いているという意味が似ていますが、ややニュアンスが異なります。
「綿密」は人の行動に使用することが多い言葉です。
人が細かいところまで気を配ることをいいます。
「緻密」は、細かいところにまで気を配る意味だけでなく、手落ちがない意味も含まれています。
また、布地や紙などの表面の模様の意味も持っています。
まとめ
2つの言葉は、ほぼ同じ意味を持っていますが、「緻密」は手落ちがない意味や、きめの細かさの意味も含まれている点が、「綿密」とは異なります。