この記事では、「遅滞」と「遅延」の違いを分かりやすく説明していきます。
「遅滞」とは?
遅れ、滞ると書いて「遅延」。
物事が進行せずにとどこおることや予定通りに進まず期日に遅れることを意味する言葉です。
この意味から、債務者が債務の履行日になっても履行しないといった意味もあります。
このような意味から同じような意味を持つ言葉には、「遅刻」や「遅延」、「遅らせる」、「引き延ばす」などがあります。
対義語には明確なものはありませんが、しいて言えば、「遅滞」の反対の意味でスムーズにことが進むことを意味する「はかどる」です。
「遅滞」の使い方
「遅滞」には、「遅滞する」、「遅滞なく」などといった使い方以外に、「精神遅滞」や「遅滞遺伝」、「納期遅滞」など、何が進行せずにとどこおっているのかを示す言葉があります。
「遅延」とは?
遅れ、延びると書いて「遅延」。
予定されていた時間や期日に遅れることを意味する言葉です。
一般的に公共交通機関がダイヤ通りに発着できない場合を「遅延」と言います。
もちろん、公共交通機関だけではなく、何かものごとの到着や完結が予定よりも遅れることを意味する際にも用いることができます。
このような意味から同じような意味を持つ言葉には、「遅刻」や「遅滞」、「遅れ」や「もたもた」などがあります。
対義語には明確なものはありませんが、しいて言えば、「遅れる」の対義語となる、「早まる」です。
「遅延」の使い方
「遅延」には、「遅延する」、「遅延しない」などといった使い方以外に、「電車の遅延」、「遅延証明」、「遅延時間」、「未曾有の遅延」など、何が「遅延」しているのか、どんな「遅延」なのかを示す言葉があります。
「遅滞」と「遅延」の違い
同じ遅れることを意味する「遅滞」と「遅延」。
「遅滞」は、期日に遅れることを意味し、予定通りに進まないといった意味が強くなります。
一方、「遅延」の場合は、電車のダイヤなど予定されている期日や時間に遅れるといった意味となり、それによって長引いてしまうといった意味が含まれています。
「遅滞」の例文
・『仕事が遅滞しているので、今日は遅くまで残業することになりそうだ。』
・『天候の影響を受けやすい工事の仕事は、雨が続くと遅滞してしまい工期に間に合わないこともあります。』
・『少しでも遅滞を避けるため、何か良い方法はないかと模索しているところです。』
・『納品期日までにどうしても間に合わないため、納期遅滞の連絡をさせてもらいました。』
「遅延」の例文
・『電車が事故で遅れ遅刻してしまったので、忘れず遅延証明を受け取り学校に提出しました。』
・『何度も遅延するなんて、信じられません。』
・『発売予定日が決まっていたゲーム機の発売が遅延すると聞き、楽しみにしていた私はショックでした。』
・『昨夜の大雨で朝から電車のダイヤは乱れ、多くの路線で遅延が発生している。』
まとめ
以上が「遅滞」と「遅延」の違いです。
基本的に何が遅れるのか、予定通りに進まないのか、で区別し使われることが多い言葉となります。