この記事では、「ヒラタクワガタ」と「オオクワガタ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ヒラタクワガタ」とは?
「ヒラタクワガタ」とは、コウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属ヒラタクワガタ亜属の1種です。
オオクワガタ属の中でも最大種のクワガタです。
ヒラタとは、その体形が平べったいことから名づけられたものです。
このクワガタの生息地は東日本よりも西日本に多く、低地から山地にかけ、広葉樹や照葉樹の森林に生息しています。
また湿度の高い環境を好む傾向があり、河川敷や河川近くの林などで多く見られます。
広葉樹や一部の照葉樹の樹液を餌として、樹木の洞などに隠れて生活しています。
羽化して成虫になってからの寿命は1 ~ 3年と言われています。
「オオクワガタ」とは?
「オオクワガタ」とは、コウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属オオクワガタ亜属に属するホペイオオクワガタの亜種であり、日本では最大級のクワガタとして知られており、人気の高いクワガタです。
人気が高いクワガタである事から、人工飼育や繁殖法が確立されていますが、一方で住宅開発が丘陵地に広がり森林伐採が進んだ事や、乱獲により自然界での生息数が減少し、2007年には準絶滅危惧種から絶滅危惧II類に引き上げられています。
日本では、この「オオクワガタ」の成虫は、5月初旬から梅雨明け頃に活動を始めます。
夜行性で、昼間はクヌギ・アベマキ・ナラ類・カシ類・ニレ類・ヤナギ類などの樹液が出る大木の樹洞などに隠れています。
「ヒラタクワガタ」と「オオクワガタ」の違い
生物学的には、「ヒラタクワガタ」とは、コウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属ヒラタクワガタ亜属の1種であり、一方の「オオクワガタ」は、コウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属オオクワガタ亜属に属するホペイオオクワガタの亜種と分類されており、全く別の種類のクワガタと言えます。
しかし、いずれも「オオクワガタ属」に分類されるクワガタで、近い種類のクワガタと言えます。
また平たい体形と大きな体長で、見分けにくいと思われますが、成虫のオスなら、大顎の形の違いで見分ける事が可能です。
「オオクワガタ」は大顎の先端に近い部分に大きな内歯があり、そこから先端に向かう部分に目立った鋸歯はありません。
それに対して、「ヒラタクワガタ」は大顎の付け根に近い所に内歯があり、先端の尖りから内場の間には鋸歯が存在しています。
この違いで2つの種類のクワガタは見分ける事が可能です。
ただし、メスは見分けが難しいと言えます。
まとめ
「ヒラタクワガタ」と「オオクワガタ」は、いずれも「オオクワガタ属」のクワガタで、生物学的には近い種類のクワガタと言えますが、異なる種類のクワガタです。
大型で平たい体形と言う共通点もありますが、オスの成虫は大顎の形状が違うので、これを知っていれば見分ける事は比較的簡単です。
しかしメスの見分けは難しいと言えます。