この記事では、「重複」と「重畳」の違いを分かりやすく解説していきます。
「重複」とは?
「重複」は、ちょくふくと読むべき言葉です。
 もっとも、じゅうふくという読み方もされていますが、誤読だったものが浸透した結果、そう読まれる様になってしまっただけなので正しい読み方ではありません。
 おもさやかさなりといった意味を持つ重と、2個以上のものがかさなっているという意味を持つ複の文字を組み合わせて構成された言葉です。
 そのため、同じ物事がかさなり合う事を表す言葉となっています。
「重複」の使い方
「重複」は、同じ物が重なり合っている様を表したい時に、使用されるのが基本の言葉です。
 具体的には、重複したデータといった形で、重なり合い易い対象と同時に使われる事が多くなっています。
 しかも物は勿論、重複した話といった形のない対象にもこの言葉を用いる事が出来るので、日常的にも比較的頻繁に用いられる言葉です。
「重畳」とは?
「重畳」とは、ちょうじょうという読み方をする言葉となっています。
 文字で見れば分かる様に、かさなりと段階等の意味を持つ重と、かさねるとかたたみの意味を持つ畳の字を合わる事で誕生した言葉です。
 お陰で重畳は、幾重にもかさなるとか、この上なく喜ばしいといった意味を持っています。
「重畳」の使い方
「重畳」という言葉は、日常的に頻繁に見聞きする様な言葉ではないので、馴染みが薄いという人も少なくありません。
 そんな中、使い方として多く見られるのが、同様の物が複数ある際にその状況を表現するために用いられる事です。
 具体的には、重畳とした山々といった表現が見られます。
 更に重畳は非常に喜ばしいという意味で、文中に登場するという使い方も見掛ける事が可能です。
「重複」と「重畳」の違い
「重複」と「重畳」はどちらも、同じ物事がかさなり合っている様を表す時に使用される言葉だったりします。
 しかも物だけでなく、データ等の形がない対象にも用いられる点も同じです。
 もっとも重畳は日常的に余り使用される言葉ではないので、この様な意味を表す際には重複を使用した方が意味が通じ易かったりします。
 加えて重畳には、この上ない喜びといった意味合いも持っている点も違いと言えるのです。
「重複」の例文
 ・『複数の保険に加入する際は補償が重複していないかを確認すべきです』
 ・『残っているとややこしいので、パソコン内の重複したデータはしっかり消去しておきました』
「重畳」の例文
 ・『この映像作品が凄いのは現実の景色にCGを自然に重畳させて表示させている所です』
 ・『この様な賛辞を頂いて、重畳の至りです』
まとめ
 2つの言葉はどちらも、同じ重の文字を用いている事でも分かる様に、同一の物事等がかさなり合っている様子を表現する言葉となっています。
 なので同じ意味を表す事が出来る言葉同士ですが、「重畳」の方は一般的に馴染みが薄い人が多い言葉です。
 だからこそ同じ意味を表現する際には、「重複」を用いた方が無難であり、おすすめ出来ます。
 他にも違いとしては「重畳」は、大変喜ばしいという意味を持っている事です。


